2010/3/17 21:00掲載
まんだらけ 小倉店

L.S.C in 小倉 〜ライトノベル普及委員会〜【第44回】人生であまり大事でないけど楽しいことは山本先生から教わった(その1)

寡聞にして知らなかったのですが、作家の山本弘先生がブログ(「山本弘のSF秘密基地BLOG」)を開設しているというのを最近知りました。
担当は山本先生の作品からはちょっと遠ざかっていたので、最近の先生についてあまり知らなかったのですが、blogの過去ログを見ると、以前とまったく変わっていないことに大いに感動してしまいました。山本先生がすでに50代に差し掛かっていることを考えると、これは奇跡といってもいいかもしれません。
山本弘先生をどういう人か、ということを誤解を恐れずに言えば、良い意味でも悪い意味でも大人げない、というのが担当のイメージです。
大人げないに良い意味なんて存在するのか?と疑問を持たれそうですが、山本先生はハードなSFを書くときでもライトノベルを書くときでも、あるいはトンデモ本を書くときでも、常に同じスタンスで物事にあたっていると思います。つまり、全力。

(図1)

スニーカー文庫で書いた「ラプラスの魔」「パラケルススの魔剣」「時の果てのフェブラリー」(図1)「ギャラクシードリッパー美葉」や、「アイの物語」などといった近年のハードSF路線まで、山本先生は常に『全力』で物語を作っています。この場合の全力というのは、ストーリーが面白いのにも加えて、設定や物語独自の理論を作る際にも手を抜かないという意味です。山本先生自身が超常現象や疑似科学否定派であっても、作品に必要とあらば完璧な『理論』を組み立てて、作中に霊能力や現実には存在しない科学現象を登場させるのが、山本先生の流儀であり、そこまでしなくてもいいのに、というところに凝るのが、いい意味での大人げなさだと思います。

また、山本先生はほとんどの作家やメディアの人々が意図的に無視、あるいは目を向けない『ネット上での無責任な放言』に対しても全力で反論、あるいは反証します。まったく一銭の得にもならないばかりか、さらなるネットでの批判や誹謗を生みかねないという意味で、悪い意味での大人げなさといってもいいと思いますが、これらすべてをひっくるめての大人げなさが、山本弘先生の作家性だと思います。
こうした作家性は、ライトノベルは一般小説に劣っていないと声高に主張し、あるいはアニソンは一般的な音楽に劣るものではないと常日頃訴え続けるという、いい年した大人はまず言わないような姿勢にもつながり、だからこそデビューから20年以上たった現在も、山本先生がライトノベルファンや多くのオタクの支持を受ける一因だと思います。

次回も山本弘先生の話です。

(担当 有冨)

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