まんだらけ 小倉店

L.S.C in 小倉 〜ライトノベル普及委員会〜【第29回】ライトノベルとイラストの関係(その2)

今回は前回の続き、イラストの話です。
小説にイラストは必要なのか?という問いは「必ずしも必要ではない」というありきたりな回答が導き出されます。
しかし、イラストが小説にどれくらいの影響を与えるのか、ということになると、それは計り知れないほど、ということになるのも事実です。

(図1)


ライトノベルではありませんが、太田忠司先生の『狩野俊介シリーズ』(図1)では、ミステリーであり、徳間ノベルスという低年齢層をメインターゲットに据えていないレーベルの作品でありながら、長年に渡って末次徹朗先生のイラストが作中に多用されていました。
失礼な言い方をすれば、世間的にはきわめて著名、とは言い難い末次先生のイラストは、このシリーズでは欠かすことのできない要素であり、この絵にひかれてシリーズを読みだしたという方も非常に多くいると思われます。 それだけに体調不良により原作イラストがコミカライズをされていた大神先生に代わった時、かなりのファンが残念がったことと思われます。

基本的に文章によって想像力を想起させるものである小説にとって、イラストを使うというのは邪道といえば邪道といえるかもしれません。
しかし、一部の作品にとってはイラストは、ある意味作品の世界観すら決定づけてしまう、あるいは”しまいかねない”ものでもあります。
なのでイラストの内容がその作品に合っていれば、まさに相乗効果として名作たりえることもありますし、逆に言えば内容に合っていないイラストが掲載されることによって作品に悪い影響を及ぼすこともありえるということです。

(図2)


古いところでは「魔獣戦士ルナ・ヴァルガー」(図2)では、作者の秋津透先生自身が、イラストのあろひろし先生の影響大であることを認めていますし−それゆえあろ先生が降板後はストーリー自体すら変質しました−、「灼眼のシャナ」(図2)におけるイラストのいとう先生の影響の高さは、もはや高橋先生との”共作”ともいえるレベルです。でなければ同一作品で画集が3冊もでるという状況は生まれにくいと思います。

黎明期から現在まで、イラストが常に掲載され続けているライトノベルですが、時を経るにつれ、そのイラストの持つ意味もじょじょに変化しつつあるように思います。

次回の話はさらにこの続きの予定です。

(担当 有冨)

※この記事は2009/8/19に掲載したものです。
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