2010/1/6 21:00掲載
まんだらけ 小倉店

L.S.C in 小倉 〜ライトノベル普及委員会〜【第39回】国民的作家の中にラノベとの共通点を見てみる

今回が2010年最初の本コラムなります。今年もよろしくお願いします。
前回とまったくつながりませんが、今回も急に思いついたことを書き連ねます。

昨年は松本清張生誕100周年ということで、いろいろと特集などが組まれていました。
松本清張はいわゆる国民的作家、と呼ばれる立場の作家ですが、福田和也の「作家の値うち」でも触れられているように、現在における国民的作家の一人といえば、宮部みゆきの名前を挙げてもさほど的外れとは言われないと思います。

しかし、時代が下ったせいはもちろんあるのでしょうが、松本清張の作風と宮部みゆきのそれとは、大きな違いが当然のことながらあります。 共通しているのは「模倣犯」「理由」「火車」に見られるような時代性、ということでしょうが、松本清張にはまったく見られなかった特徴としては、ファンタジー・異世界・スーパーナチュラルなどの要素が出てくることが多いことです。

(図1)

映画化もされた「ブレイブストーリー」 (図1) は、後に角川スニーカー文庫に収録されたことからも明らかなように、ファンタジー小説であるととともに、ライトノベルであるといってもいい内容でした。
このほかにも宮部作品には、主人公が犬であったり、強大な力を持った超能力者や、タイムスリップなど、一見すれば荒唐無稽、つまり『大人の鑑賞に耐えない』と固い読者から一蹴されてもおかしくないような要素が多分に登場します。 それは、作家としての資質とともに、宮部みゆき先生にとってはそれらの要素が大人の鑑賞に耐えうると思っているからこそ、入れることにためらいがないのだと思われます。

(図2)

牽強付会といわれそうですが、時代小説の大ヒット作である「孤宿の人」 (図2) にすら、担当のような重度のラノベ病患者にはライトノベルとの隠れた共通点を見つけてしまいそうになります。

(図3)

最後に壮大な大崩壊が訪れる、というの半村良先生の「どぶどろ」から来ているのでしょうが、どちらかというと冴木忍先生の超鬱的名作「星の大地」 (図3) を連想せずには居られません。

書いているうちにこのテーマがいけそうな気がしてきましたが、続くかどうかは未定です。

(担当 有冨)

このページの先頭へ

お問い合わせ (営業時間:12:00〜20:00)

まんだらけ 小倉店(詳しい店舗地図はこちら)
〒802-0001 福岡県北九州市小倉北区浅野2-14-5 あるあるシティー 4F
TEL 093-512-1777 / e-mail kokura@mandarake.co.jp
このページの先頭へ