岩井の本棚 「マンガけもの道」 第21回 |
切ないお誕生会
早いものでこの「マンガけもの道」も始めてからもう一年です。当初は本店2の取り扱いの本、つまりビンテージともいえなく、かといって本店のように一般的でもない、 ややマイナーでマニアックな本をどうPRするか、どう面白さを伝えるか、で始めた企画でした。
(図1)
日経トレンディとかの「おどろきのイソフラボン効果」(PR)とか「資金運用は○○で」(PR)なんてページと同じようなね。
「この記者いちいちこんなに驚きやがって大げさだよなあ・・・って、よく読んだら広告じゃねえか」みたいな。
ところがやっているうちに、取り上げる本も文体も、どんどんなんだか黒くなってきてしまいました。
ほめてるつもりなのに悪口にしか聞こえない、もしくはすごくダメな所をほめたら悪口になっちゃった・・・って。
作者様に叱られたので数日しかアップされなかった未掲載があるくらいですよ。
PRのつもりなのに、と予期せざる状況にびっくりです。
これはPRじゃないんじゃないかな・・・と気がついたのは実はつい最近です。
つづけて一年つっても、エロマンガばっかり取り上げ、ついうっかりうれしがって書きすぎてしまい、 勃起とか陰茎とかワーワー連呼して赤っ恥をかくとか、 こんなコラム書くなんてあの人はスケ兵衛ですねーみたいな感じで女子に割れ物処理をされてしまったり、もうそんなんばっかです。
(図2)
(図3)
(図4)
(図8)
(図10)
定期的に読んでくれてる人なんて片手の指くらいしかいないんじゃないかしら・・・。
あーあ、こんなだれも読んでないヘボコラムが1年つづいたのも、ほかでもない、 そう、僕が空気読めないからですね・・・
ふつうは踏ん切りつけてこんなんやめてますよね・・・と寂しい結論になってしまって、ぞわぞわとヘコみますよ。
まあそれはいいとして、棚卸しが近いので持ち場を整理したら、自分のコーナーで使った本がけっこうざくざくと出てきました。
ついうっかり読み返したものの、やっぱり変な本からはオーラが出とりますね。
「エンドレス・ドラッグウォーズ リスク」や「55歳の地図」なんかは今でも書店売りされてるから容易によめるけれど、 ここで取り上げた本って多くは売れなかった本だから、手に入れるのは難関なんですよ。
たとえば「いたずら・次郎の場合」なんて、この本、見つけようと思ったらちょっと大変ですよ。どれだけ歩かないといけないのか見当もつきません。
今回は、マンガけもの道で取り上げたマンガはほぼ出ますよ。
えっこれ何?読んでみたいと思ったチャレンジャーはぜひ18日日曜日に本店2へどうぞ。
ちなみに「コージ苑カルタ」と「思春期のカルテ」は出ません。あしからず。
あとそれだけだと寂しいので、ああ、このヒトってやっぱり変態っぽいよね、 すごく狂ってて変態的な才能出てるよねこの本・・・と一方的にぼくが変態シンパシーを感じているマンガたちも棚に出しておきます(今回はエロ中心で)。
あくまで私見ですので、うっかりここで名前を出しちゃうと怒られそうなので、実際に棚を見ていただければなあと思います。
試し読みOKにしておきますので、変態度に御納得していただけたらお買い上げください。
「あつし!あつしじゃないか!」とか「DVD!DVD!」みたいな分かりやすいネタも出しておきますよ。
世間的な価値付けには晒されてない本ばかりなのですが、駄本の山の中から少しでも光るものを見つけることの好きな人むきのラインナップです。
それではいままでの各回で掲載し切れなかった名カットをお楽しみください。
まずは、もう今後ぼくの手元にもどってくることはないだろう「いたずら・次郎の場合」(第5回)から。
・・・幼女へのイタズラが抑えられない真性ペドっ子の次郎の悩みを聞いてあげよう、 とカウンセラーが次郎の心を解きほぐすシーン、でも話に出てくるのはこんなことばかり(図1・2)。
かわいそう・・・っていっていても口が▽、喜んでるようにしか見えないよ(図3)。
背景メルヘンだけれどやってること鬼畜だよね次郎(図4)。
(図5)
(図6)
・・・やっぱおもしろいなあ、ツッコミどころがあるよ「次郎」は。
つぎは「おかあさんあなたも主治医です」(第1回)から。
下痢、というとんだスカトロなシーンでも、井沢まさみの手にかかればホンワカな雰囲気に(図6)。
でもね奥さん、その下痢を見せられる医者のヒトの立場はつらいよね(図7)。
あと定番のやりすぎ湿疹シーン(図8)。
前回「クリックしたら拡大します」をうかうかと踏んでしまった地雷原ジャンパーたちも多いのでは。
(図7)
(図9)
あと、シャブやりながらの自慰は、最高なのです・・・という反社会的かつ無軌道な主張を(図10)。
いやあ、何度読んでもこの本カッ飛んでますなあ。
だれもこの本に異議を唱えずにうまうまと出版されているってすごいですよ。
たぶんほかの国だったら絶対発禁ですよ。
ラストは、何度読んでもポンワリと魂が抜かれる、脱力サイケデリック・ドブ板エレジーな「いれずみ雀鬼」から写植アートをどうぞ(図11)。
前回は画像が小さかったので迫力が味わえなかったでしょうからね!
(図11)
しかし自分で自分のコーナーが一周年だ、って浮かれるのって、自分ひとりでやるお誕生会?みたいな。
自分で自分の誕生会のセッティングして、しかも飾り付けまで自分で担当、みたいな物寂しさを感じますね。
招かれたほうもナニコレ?困惑?みたいなね・・・。
というわけで盛大な(PR)を読んでいただきありがとうございました!
ヘボ本ハンターは18日に本店2で「ダメ!ゼッタイ!」
※この記事は2005年9月17日に掲載したものです。
(担当岩井)