まんだらけ渋谷店ナントカ列伝 - まんだらけトピックス

いや～、コレ揃うの待ってたんですよ。
遂にAVにも「列伝」と言う形で語られる時代がやってきたんですねぇ・・・。

人間のあらゆる欲望や煩悩、情念が渦巻く世界。
そう、AVとはまさに人生の縮図。AVは格闘技だ!!（ちなみにビデ倫＝プロレス、インディ系＝バーリトゥードと僕は捉えています。分かりますよね？）

そこに巣食うさまざまな住人達。彼らはどのようにしてこのジャングルに迷い込み、何を感じながら生きているのでしょうか。

今回ご紹介の『AV列伝』（井浦秀夫・著）はそんな世界の裏側に潜む彼らの素顔に迫ったノンフィクション作品。

今のところ登場する顔ぶれは言うなればひと世代前に活躍していた方が多いのですが、まだ歴史の浅いAV界の黎明期を支え続けた、そして今もって支え続けている偉人ばかりなので、“がなり後”の方も必読ですよ!!ちなみにがなり元社長は5巻に登場します。

描くのは井浦秀夫。本作に関しては今月11日掲載のコラム「岩井の本棚」でも少し触れられていますが、井浦氏による、決してカワイイとは言い難い女性達がAVからイメージされるエロっぽい要素を程よく排除していて、より作品のドキュメント性を高めています。

むしろ少々重い話もこの画風によって読みやすくなっており、それでいてリアルに描かれた人間の心理描写にいつの間にか引き込まれ、AVというテーマに必然性すら感じるはず。これは男女問わずすんなり読める良質のドキュメンタリーですよ、奥さん!!

これらの人物を知らない方でも、これを読んでもし興味がわいたら次はそれぞれが携わっている作品を見てみる、というのはどうでしょうか。
加藤鷹、チョコボール向井、村西とおるなど、一般にも割と知られている方も多いですが、中でも4巻に登場する卯月妙子は漫画家としても活躍しており、単行本も多数出されております。自身の体験を綴った話は常人にはとても理解しがたい部分もあり、とにかくキョーレツの一言です。むしろこの方に関してはそっちを読んだ方がいいかも。

今回は最新5巻までのセットにてご奉仕！

どーですか、お客サンッ!!ぜひぜひAVなんて見ないよ、という人にこそ読んで欲しい作品です。

（担当清水）