『江戸艶本へようこそ』 林美一著 河出書房新社 94年 ¥525 『江戸艶本を探せ』 林美一著 河出書房新社 93年 ¥525 『江戸艶本ベストセラー』 林美一著 新潮社 94年 ¥420 『日本の艶本・珍書』自由国民社 94年 ¥525 明治期の所謂「文明開化」とかいふヤツのせゐで日本人はなんでも西洋人の目を意識するやうになり、それマデに蓄積された豊潤な文化の多くを「異人さんにみられたら恥づかしい」といふ理由で自ら封印してしまひました。 そのひとつが奔放ともいへる性表現であり、その派生として春画や艶本(えんぽん)があります。 近年、ユダヤキリスト教価値観に由来する欧米文化の一極主義ともいふべきものがやうやく相対化されつゝありますが、それでも我々とてまだまだその呪縛から自由ではないやうです。 なんとなれば、今回紹介するやうな「春本」のたぐひを見れば、ワタクシを含めて皆々がそれ相応のカルチャーショックを受けることでせうから。 「艶本」「春本」といへばどうしてもイメージするのが「春画」といふやうなエロ絵画でせうが、忘れられがちなのが文章です。 性に対するその豊かな文章表現に接すると、我々現代人が如何に性に対しても貧困な着想しか持ってゐないのであらうか、と思はざるを得ません。 強引な欧化近代化政策により、その感受性に於いて病的変異を遂げてしまった、我々明治以降の日本人にとって、それ以前の表現は却って新鮮且つ刺激的であることでありませう。
(担当 山口ケン)
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