資料系同人誌即売会「資料性博覧会DX」
2019年5月4日 (土) 11:00~16:00
中野サンプラザ13Fコスモルーム
参加者約1300名
ご参加いただいた皆様、並びにイベント開催に際して協力いただいた方々本当にありがとうございました。
大きなトラブルもなく無事に開催できましたことを心より御礼申し上げます。
今回も募集期間を2段階に分け、
【第一次締切】2018年12月17日(月)~2019年1月11日(金)
【第二次締切】1月19日(土)以降先着 ※2月28日(木)最終締め切り
第二次募集はいつもとは異なる先着方式をとりました。
当初の募集
・直参:94スペース
・委託:10スペース
満了後も準備会の受付ミスが重なり、受入数を増やすことになりました。
最終的に
・直参:100スペース(前回から+10)
・委託:16スペース
となっています。
イベント当日は、9:30からパンフレット販売を開始し、10:45まででパンフレットの販売数は309冊でしたが、列の入場順を決める頃には350名ほどに増えていて、最終的に開場前に並ばれた参加者の人数は380名ほどでした。
今回のサークル数が100で平均二人で参加するサークルが多いので、開場後すぐには400名以上(サークル約200名、入場者約300名)が会場内に入っていたことになります。
開場してすぐの混雑を想定した配置の工夫をしていたため入場規制をかけることなく一気に入場できました。
今回はレイアウト上の都合で委託頒布レジを場外に設けましたが、人気を集める本があったため20人ほどの列を3つに折って対応しました。もし場内にレジを設けていたらアウトだったので結果的に良い方向に転んだと思っています。
この日特別に用意した中島紳介『PUFFと怪獣倶楽部の時代』サイン本は2時間ほどで100冊完売しました。
体調不良の参加者が出ましたがスタッフに報告いただいたおかげで大事にはならずに済みましたし、事故やお客様同士のトラブルもありませんでした。
併催イベントは、会場の混雑が緩和する11:45頃から開始。
最初のイベントは資料性みやげ「10周年こいのぼりくん」の引換券配布…だったのですが、今回の準備会痛恨のミスでの現物を展示しないままに購入希望者を募ってしまいました。
そのため希望者が少なく、今回初めて「こいのぼりくん」が通販で購入できるという状況になっています。 こちらから、どうぞ。
そして、 12:30からはサークル企画のトップバッターとしてはおなじみとなりつつある『英雄収集ツインジャー』シロ(@0714Ao)さんとクロ(@haihuxa_)さんによる「帰って来た【おみやげヒーロー】!!」
13:00からは『カイブンシャ』スガワラタカフミ(@mgs3pwv124)さんと加卜YOU樹(@you1210g)さんの怪獣愛あふれるトーク
13:30からは『みるく☆きゃらめる』吉本たいまつ(@taimatsu_torch)さんによる 「1980年代以前の同人界-同人誌印刷の歴史を中心に-」 と、『STRIKE HOLE』花羅(@hanara_striker)さんによる「1990年代以後の同人界-同人誌即売会の動向を中心に-」
14:00からは『いすかんでやる』(@masticate_chars)による「街頭時報の近現代史」は実際の音声を交えながら
14:30からは『眠り姫はダンスがお好き?』のれおくん(@dai2bungeibu)さんによる「垣野内成美アニメーションの世界」
15:00からは『新・万国博を考える会』のマセキ堂(@masekido)さんと早川優(@hayakawa_m)さんによる「万博とキャラクターについてイルカファミリーを中心に」
とけっこう時間枠いっぱいに発表時間を入れました。
資料性博覧会の良いところは一般参加者にも多くの識者が参加していることです。情報をフィードバックさせることで、さらなる情報を呼び込むことが可能な場所だと思っています。捜索中の案件などを、中間報告として発表するというスタイルも有効だと思いますよ。
16:00に一本締めで閉会。前売りも含めパンフレットの残り部数から考えては参加者数1300人となっています。
さて…、11年目から何をするのかというプレッシャーの方が強いくらいで、今回の10周年は進行で特別なことはしなかったのですが、節目ということもありアーカイブ的な冊子などを製作しましたのでご紹介します。
まず1冊目は、
この単行本は、特撮やアニメ分野の批評においての伝説的なファンジン『PUFF』と特撮・アニメ評論に関わる多数の人物を多数輩出したことで知られる怪獣映画研究グループ「怪獸倶楽部(*)」の二つが交差する時代を当事者(中島氏は『PUFF』の中心人物で、「怪獸倶楽部」のメンバーでもある)がまとめた初の史料と言えるものです。
中島紳介『PUFFと怪獸倶楽部の時代』情報はこちらから
まんだらけのオークションカタログ誌『まんだらけZENBU』に8年間断続的に連載された本作がスタートするきっかけは、第1回の資料性博覧会パンフレットに掲載した中島氏のインタビューです。
「怪獸倶楽部」のメンバーは、ファンタスティックコレクションをはじめとして数多くの特撮やアニメの関連書籍を手掛けました。資料系同人誌はそれらムック本のフォーマットに多大な影響を受けたジャンルです。現在まで続く息の長いコンテンツとなっているゴジラ・ウルトラマン・仮面ライダーなどのシリーズが途絶えた時期に、「怪獸倶楽部」メンバーが雑誌媒体などで取り上げるなどの活動を行った事は日本のオタクカルチャー史の中で、もっと重要視されていいと思っていました。私自身は「怪獸倶楽部」が存在しなかったら、特撮作品を大人が堂々と見る事ができる時代の到来は10年以上遅れていたと思っています。
中島氏の視点で綴った第一部と、メンバーのうち井口健二、岩井田雅行、聖咲奇、開田裕治、西脇博光、徳木吉春、池田憲章、平田実、原口智生(収録順)の9名インタビューを軸にそれぞれの怪獣倶楽部に迫る第二部で構成。
特に第一部は、大塚英志『二階の住人とその時代』が創世期だとするなら、黎明期にあたる時代の特撮やアニメを取り巻く状況やファン活動についても書かれています。サブカルチャー史の失われたピースとして広く知られてほしいと思い、なんとか資料性10周年に間に合わせました。資料性博覧会に興味のある方なら、全員お手にとっていただいて間違いない1冊です。
(*)『怪獸倶楽部』
特撮映画研究家、香山滋研究者として知られる竹内博の呼びかけで結成。
メンバーは安井尚志、金田益実、開田裕治、池田憲章、徳木吉春、岩井田雅行、西脇博光、氷川竜介、富沢雅彦、聖咲奇、井口健二、原口智生、米谷佳晃、平田実(順不同)。1955年前後生まれで構成されている。
2冊目、
【仕様】
・B5サイズ
・モノクロ130P(口絵2P含む)
【内容】
・過去12回開催の記録集(サークルリスト・配置図・アフターレポ)
・これまでパンフに協力してくれた人のお祝いコメント
・資料系87サークル+5ディーラーのパーソナルデータ&お祝いコメント
・表紙を手掛けるpanpanyaさんと田中かえさんのお祝いイラスト
・WEBスナイパー掲載 資料性博覧会インタビュー再録
・第1回パンフ復刻
・第2回パンフ特集記事復刻:「富沢雅彦」論考+リスト
・第5回パンフ特集記事復刻:TOY資料系同人の歴史
過去10年のアーカイブです。
資料性博覧会のことを最近知った人にも、イベント根底にある理念や開催に至るきっかけを伝えていきたいですし、初期の中野ブロードウェイで開催していた時代があった事を知っておいてほしいです。
先に紹介した、中島紳介「PUFFと怪獸倶楽部の時代」連載のきっかけとなったインタビューや、『PUFF』のもう一人の中心人物である故・富沢雅彦氏の論考と年譜&作品リストを掲載しています。ある意味で『PUFFと怪獸倶楽部の時代』の副読本と言える内容です。富沢氏の論考はアニメ版のキン肉マンについて書かれた『キン肉マン is the champion!』。『ボヘミアン・ラプソディ』で世間的にもクイーン熱が高まった今読んでほしいという思いを込めた再録です!平成のラスト2か月は、この記念誌と『PUFFと怪獸倶楽部の時代』の製作に捧げたと言っても過言ありません。とにかく参加者はマストバイ!(※通販ページには、訂正とお詫びを掲載中ですので購入者の方はご一読ください。修正は都度アップデートでしていきますので、何か気付かれた方はこちらからご報告をお願いいたします)
3冊目、
【仕様】
・A3サイズ
・フルカラー16P
・手提げバッグ入り
【内容】
・panpanyaさんがキービジュアルを担当した第6回~DXまで6回分のポスターと、文字の入ってない状態のイラストを見開きで収録!
デビュー作『足摺り水族館』が発行された2013年から現在までのキービジュアルが大判で楽しめます! こちらは国外からも問い合わせの多い1冊です!お早めに!!
以上。資料性博覧会にご興味のある方は、この機会に手に取っていただければと思います。
最後に、本も3冊作ってしまいボロボロでサークル参加の委託直参共に多大なるご迷惑をおかけしました。来年はこんなに物販で何か作ったりしないので、来年はもう少し運営に専念できると思います。
課題としては13:00頃からのタイムスケジュールを工夫して、中盤から後半にかけての参加者数を増やしたい。
また9月下旬頃に委託と読書会スタイルもやりたいですが、まだ許可出ていないのでお待ちくださいね。
今後ともよろしくお願いいたします。
準備会:國澤