今ではライトノベル=学園!ラブコメ!魔法!というイメージが市場では定着しつつありますね。
もちろん無意味にそのジャンルが出回っているわけではなく、ライトノベルの主なターゲットである学生層が、理解、共感しやすいという理由があるからですが。
ところが、第一次ライトノベルブームとも言われる90年代の中心ジャンルはというと、昨今のライトノベルではすっかり大人しくなってしまったジャンルのひとつ。スペースオペラが主流だったんです。
今回紹介する一冊は、あの日はるか宇宙に想いを馳せていた皆様もきっと充分満足できる新世代のスペースオペラ。
小河正岳 「ウェスタディアの双星」です。
舞台は星間国家が銀河に成立している世界。
強大な力を持つ帝国と共和国の緩衝地帯にある小国、ウェスタディア王国が主な舞台となっています。
物語の展開は、大きく分けて二つの視点で描かれており、ひとつは、修道院で育った15歳の少女ルシリアが国王崩御により国外逃亡した王太子に代わり王族に復帰・女王に即位。
参謀の青年チェザーリと共に二人三脚で国を支えていく「ルシリアとチェザーリの物語」。
もうひとつは、武勲を多数挙げているものの素行不良で下っ端に甘んじている若き将軍バドエルと、文官で鍛えた知識と、19歳という若さゆえの斬新な発想で奇跡の一手を導き出す名参謀アルファーニの凸凹コンビが、大胆な艦隊戦略で次々と戦況をひっくり返していく「バドエルとアルファーニ」の物語です。
一人の視点からではなく、「中枢」と「最前線」という二つの視点から、ウェスタディアという小国が成長していく様子を壮大に描いていくのが、この作品の最大の魅力となっています。
特に本作で担当が気になったポイントは、タイトルの「双星」という単語。
劇中において「ウェスタディアの双星」とは、防衛戦で圧倒的な戦力差をひっくり返した、凸凹コンビのことを指しますが、担当が感じた印象では、同時に「ルシリアとチェザーリ」の二人のことも指しているように思います。
それと、作中に“2”という数字がよく使われているのも非常に気になります。
女王と参謀の二人。凸凹コンビの二人。帝国と共和国という二つの国。
そうした対立・協力など、一対のものの関係性に重きを置いているところで、物語に複雑性と深みを生んでいるのではないでしょうか。
また、拳握るようなダイナミックな描写で描かれる艦隊戦争も、主に男性読者の心を強く揺さぶれるぐらい熱いので、読んでいるジャンルがマンネリ化してきた方は、この作品で再び、宇宙モノへと返り咲くのも悪くないと思います。
(担当 佐藤ま)
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