内容はタイトル通りといった感じで、突然凶暴進化したサルが人間に牙を向き始めるという実に分かり易い、分かり易すぎるB級のソレです。
全編にわたって繰り広げられるサルとのジャンク感溢れる戦闘シーンと、個性的というにはあまりに危険な絵柄とタッチが最高に最悪なへビィな作品です。
後ろの作品解説には「ハリウッドも粉砕するジャパニーズ・ガレージ・アニマル・パニックの金字塔」とかテキトーにもほどがある煽りが書いてあってとても愉快。ガレージ・アニマルってもはやサルでもなんでもないだろ!
この漫画のメインテーマのサルは、知性を持ち凶暴化したどこまでも破廉恥で糞ウザイ存在。
サルという人間にもっとも近い動物ながら、どこか感じてしまう同族嫌悪と不快感に似た感情を拡大解釈しつくしてみた結果がこの間抜けながらも恐ろしいサルどもといえるでしょう。
スニーカーにタバコをくわえ、パンツを頭にかぶったサルども姿はまさにストレート&ストロングスタイルのDQN。そんなガレージ感溢れるサルどもが人間に立ち代り台等し始めるというのは作者の強いメッセージかなにかなのでしょうか?いやたぶん気のせいでしょう。
そんなサルに対する人間達も超絶個性派ぞろいのキャラクターばかりで、恋人を(間接的に)サルに殺された悲劇なのか喜劇なのかよくわからない主人公の全く感情移入したいない状況も実にすばらしいです。
そんな主人公が使う武器が、何を考えたのか『18万ボルトスタンガン内蔵ヌンチャク』なぜヌンチャクなのかとかそういう大きなクエスチョンは残りますが、これでサルどもをボッコボコにする様はサルの糞むかつくこの作品のキャラクター性もあって実に爽快感あるシーンです。
そして極め付きは、主人公の開発した(らしい?)対変異ザル兵器『スーパーソニックソード』ZOIDのバーサークヒューラーも片足で逃げ出すそのいんちき科学っぷりにただただ脱帽。
台詞回しもソウル溢れすぎてケロイドのごときケイオス状態。
テンション高くなる度に舌がまわらなくなり日本語が暴走し始める様はギャグ以上のおぞましい何かを感じさせます。
そこそこ有名な気もしないでもない作品ですが、とりあえず連載終了後約10年後にこの作品を出版した太田出版の勇気と大陸棚にも匹敵する底なしの凶器に乾杯といったところでしょうか。
そんなガレージ暗黒アニマル武等伝な「サルハンター」。あなたの本棚に加えれば一気に本棚も世紀末感溢れる雰囲気に変わること間違いなしです。
(担当 黒田)
ご注意点
掲載の情報が販売情報の場合
- 掲載商品についてのお問い合わせは(指定がある場合は上記コメント内に記しておりますのでご確認ください)開店30分後からの受付となっております。各店の開店時間は、店舗情報にてご確認ください。
- 掲載の商品は店頭でも販売するため売り切れる場合がございます。
- 商品の探求は、専用の探求フォームをご利用ください。
掲載の情報が買取情報の場合
- 掲載の買取価格は商品状態、在庫によって予告なく変動します。