まんだらけ渋谷店 20世紀ノ少年 - まんだらけトピックス

『KENJI YANOBE 1969-2005』(青幻舎)

現代美術家、ヤノベケンジの2005年までの軌跡を辿った作品集。
ヤノベ氏は1966年生まれ。ってことは3歳から？
そうです。冒頭掲載された幼少期に作成のマンガやジャイアントロボやガメラの模型。みんなと同じ様にマンガやアニメヒーローに憧れていた少年は、その完成形ではなく作り出す方にベクトルが向って行ったのです。

ヤノベ氏の作品群はそんな幼少期に思い描いていた未来の姿を“サバイバル”と言う視点で捉えてきました。
そのため、写し出されるのは未来の廃墟とそこにたたずむガスマスクや宇宙服（その名もアトムスーツ！）を着た人物だったりします。

うぅむ。極めて個人的な感想を申し上げると、黄色のアトムスーツ＝黄色のつなぎ服、そこから顔をのぞかせる腹話術人形「トらやん」＝ブージーボーイ、そして「未来の廃墟」というコンセプトは“退化”、どうしてもアメリカのテクノポップバンド・DEVOを思い出さずにはいられません。
でも頭の中はきっとものすごい近いものを持っているんだろうなぁ。

そしてヤノベ氏自身が遊んでいたという、岡本太郎センセの太陽の塔が聳え立つ大阪万博跡地の廃墟も登場。こうなると思い出すのが浦沢直樹「20世紀少年」ですな。

本書はあくまでも美術書ですがマンガ好きにも感じる物は充分あり。

どーですか、お客さんッ!!

ニューウェーブコーナーにて。

(担当清水)