虚空蔵55様、みわ様
ご返信・ご指導を頂き、誠にありがとうございます。
私自身がやはり問の意味を把握していないという状況であろうと思います。
まず、
なぜ「図形Xのハウスドルフ測度を求める」状況なのか?
というご質問でございますが、これは単にハウスドルフ測度というものが一体何なのかを説明するための一つの例として挙げさせて頂いたというのが事の発端であります。
そして、なぜハウスドルフ測度を求める例を挙げる状況になったのかといえば、それはハウスドルフ次元を説明するためでございます。
図形Xのs次元ハウスドルフ測度(sは実数)を考えますと、sが小さいときには無限大に発散してしまい、sが大きくなると0になってしまうという事実があります(私の投稿にはありませんが、これは証明されております)。
つまり、図形Xのs次元ハウスドルフ測度とは、sが小さいときにはずっと無限大で、sがある値まで大きくなってくると、いきなり0にガクンと下がってしまいます。
そして、このガクンと下がってしまうsの値を図形Xのハウスドルフ測度と定めたのでありました。
図形Xのs次元ハウスドルフ測度を測ったときに、丁度ピントが合って、きちんと計測できるようになったとき、そのsの値を図形Xの次元と定めようというのが基本の考え方になると理解しております。
そして、例えば3次元の立体物のハウスドルフ次元はもちろん3になってほしいのですが(そして、実際に3になります)、その場合には、sが3よりも小さい場合には、s次元ハウスドルフ測度は無限大に発散するはずです。
私が3次元の立体物の2次元ハウスドルフ測度を求める例を挙げさせて頂いたのは、ハウスドルフ測度の実例を紹介させて頂きたいという動機と、3次元の立体物の2次元ハウスドルフ測度が無限大に発散してしまうというのを実際に見て頂きたいと思ったからでありました。
これが私なりの「図形Xのハウスドルフ測度を求める」状況が発生した理由の説明でございます。
そして、
立体物の2次元ハウスドルフ測度とは一体何なのでしょうか?
その「状況」の説明がほしいのですが…
というご質問についてですが、2次元ハウスドルフ測度とは、基本的には「面積」のようなものであると考えております。
ただ、その面積の測り方が少し独特なので、2次元ハウスドルフ測度という名前になっているというニュアンスで理解しています。
本来面積とは、2次元平面内に存在する図形や、球面のような或いは、直方体の表面部分のような2次元平面に展開図を描ける図形が、平面内でどれくらいの広がりを有しているのか?(平面内のどれくらいの部分を占有しているのか?)を数値的に表したものであると考えております。
(注意:面積の求め方というのは、平面内の図形を細かく分割しておいて(或いは平面内の図形を方眼紙の中に描いて)、各小部位の面積を計算しておき(方眼紙レベルに分割すると、各小部位の面積はおおむね方眼紙のマス目一つ分とみなせます)、その各小部位の面積の総和を考える(方眼紙に分割した場合は、その図形が方眼紙のマス目何個分を占有しているかを数えればすぐに求められます)というものでありました)
そのため、2次元平面に描かれていない図形に対しては、「面積」なるものを考えることは、そもそもナンセンスであると思われます(ギリギリ面積が意味をなすのは、球面などの平面に展開図が描ける図形までであると思われます)。
従いまして、立方体(立方体の表面だけではなく、今度は中身が詰まっております)などのように、平面に展開図が描けない図形(3次元の広がりを持つ図形)に対して「面積」を測定しようとする場合は、その図形を無理やり平面内に落とし込んで(展開して)その広がりがどれくらいあるのかを測定しなければならなくなります。
そのように無理やり面積を測定する方法の一つとして2次元ハウスドルフ測度というものがあり、その実際の方法が、No.461にて私が書かせて頂いた内容になっていると、私は理解しております。
図形Xの2次元ハウスドルフ測度を測定する際の基本姿勢は、図形Xを細かく分割しておいて、各小ピースがどれくらいの「面積」を持つかを測定し、それらの総和を取るというものでありました。
そして、各小ピースすらもすでに立体物なのですが、その「面積」とは、各ピースをあらゆる方向の(2次元)平面へ射影したときに出来る影の面積を考えて、それら(影)の面積の最大値を小ピースの面積と捉えるという方法でありました。
アナログな表現を使用させて頂きますと、ある対象の面積とは、2次元付近の存在にとって、その対象がどれくらい``大きいのか''を表わす数値のようなものであると考えても良いのではないかと思っておりますが、そのためには、3次元立体物を自分たちの世界(今の場合は平面)に投影して、そのときに出来る影がどれくらいの大きさになるのかを(あらゆる方向から)調べれば良いのではないか、という考え方をハウスドルフ測度では採用していると私は捉えております。
以上のような回答になってしまいましたが、如何でございましょうか?
もしまだ私が虚空蔵55様の質問を理解出来ていないということでありましたら、ご指摘頂けますと大変有難く存じます。
何度でも修正をさせて頂きます。
よろしくお願い申し上げます。
この度も誠にありがとうございました。
2020・9・13
スーザン様
段々わかって来ました。
(「分かってきた」というのは、私が分からない部分がハッキリしてきたという意味です)
つまり私は「ハウスドルフ測度」というものを理解していないという事です。
おそらくスーザンさんは、私の(知ったかぶり)態度を見ておられて、その部分をスルーしておられたか、説明していたにもかかわらず私がスルーしていたかでしょう。
今回のスーザンさんの説明で、
「図形Xのs次元ハウスドルフ測度を測ったときに、丁度ピントが合って、きちんと計測できるようになったとき、そのsの値を図形Xの次元と定めようというのが基本の考え方になると理解しております」
この部分はとても大事で、前回(この下の方にあるNo432)教えて頂きましたが、おそらくそこへの突込みがなく、よく理解しないままだったんだと思います。
そこで改めて質問です。
「立体物の2次元ハウスドルフ測度とは一体何なのでしょうか?
その「状況」の説明がほしいのですが…」
というご質問についてですが、2次元ハウスドルフ測度とは、基本的には「面積」のようなものであると考えております
ただ、その面積の測り方が少し独特なので、2次元ハウスドルフ測度という名前になっているというニュアンスで理解しています
問題はここです。
スーザンさんは「基本的に2次元ハウスドルフ測度とは面積のようなもの」とされていますが、そもそも何故立体物の2次元面積を測る必要があるのでしょうか?
立体物は体積のままでよいと思うのですが…
「そのため、2次元平面に描かれていない図形に対しては、「面積」なるものを考えることは、そもそもナンセンスであると思われます(ギリギリ面積が意味をなすのは、球面などの平面に展開図が描ける図形までであると思われます)。
従いまして、立方体(立方体の表面だけではなく、今度は中身が詰まっております)などのように、平面に展開図が描けない図形(3次元の広がりを持つ図形)に対して「面積」を測定しようとする場合は、その図形を無理やり平面内に落とし込んで(展開して)その広がりがどれくらいあるのかを測定しなければならなくなります。」
↑スーザンさんもこう仰っていますよね…
問題はここですね。
何故「平面に展開図がかけないものを、無理やり平面内に落とし込まないといけない」のでしょうか。
おそらくハウスドルフの基本的な考え方がここにあるような気がしますが、この部分の理解が私にないため「分からない」を連発しているのだと思います。
どうかよろしくお願いします。
虚空蔵55
追補
「そして、各小ピースすらもすでに立体物なのですが、その「面積」とは、各ピースをあらゆる方向の(2次元)平面へ射影したときに出来る影の面積を考えて、それら(影)の面積の最大値を小ピースの面積と捉えるという方法でありました。
アナログな表現を使用させて頂きますと、ある対象の面積とは、2次元付近の存在にとって、その対象がどれくらい``大きいのか''を表わす数値のようなものであると考えても良いのではないかと思っておりますが、そのためには、3次元立体物を自分たちの世界(今の場合は平面)に投影して、そのときに出来る影がどれくらいの大きさになるのかを(あらゆる方向から)調べれば良いのではないか、という考え方をハウスドルフ測度では採用していると私は捉えております」
この部分は、単純に考えますと「そんなに立体物の平面照射面積を知りたいのなら、知りたい各断面を普通にスキャン(計算)して出せばいいのじゃないのかな」と考えてしまいます。
たぶんここにもハウスドルフの考え方を入れないとダメな理由があると思うのですが、そこが分からないところでもあります。