岩井の本棚 「2008ベスト」 第6回

中野店スタッフ編

最終回は中野店です。

中野店は前回2007を見ていただければわかるように、スタッフの変態度数が際立って高いのが特徴ですが、 今回は変態系の人からのエントリーがほとんどなく、さびしい思いをしました。来年は変態オンリーのベストを作りたいと思います。

さてベストは今回で終わりですが、番外として次回から
「2008まんだらけ中野店で実際に売れた本ベスト」
を発表します。もう少しだけお付き合いください。

担当・岩井

2008年このマンガがおもしろかった!


ポケットモンスターSPECIAL29巻

「プラチナ」が絶好調のポケモン。
あ、このマンガ昔読んだ・・・なんか作者変わったよね、という方も多いはず。
私も最近再ハマリしてすっかりポケモンオタクになりました。 小さい頃初恋の人だと本気でいっていたレッドは、もう16歳です。

このマンガもかれこれ10年以上の長期連載になっています。
レッドやグリーンをはじめポケモン図鑑を持った主人公・ライバルたちも10人。(ダイヤモンド以降除く) 今巻では1年以上も放置プレイされてしまった「エメラルド」のお話を、80Pの書下ろしを加えてお届け! 巻を重ねるごとにポケモンとは思えないスケールのデカさになっていく話・・・今回もスゴイです。 歴代主人公/ライバル.ヒロインと、歴代の「最初の3匹」+ピカチュウ親子がいっしょになって戦い、合体技を出すシーンは圧巻です。

ポケモンなんて子供の見るもの・・・なんて方は、だまされたと思って一読してみてください。
友情・親子の絆・過去・恋など、たくさんの感動シーンがあります。次巻よりついにダイヤモンド・パール・プラチナのお話がスタートします。30巻も穴があくほど読みたいと思います!
自己紹介
10月に入社しました、名古屋店少女スタッフ刈谷と申します。一般OLからすっか りオタクに立ち戻ってしまいましたが、日々充実しております。仕事はまだまだ 半人前ですが、今後も明るく笑顔でがんばりたいと思います。
近況
東京にて研修中・・・たくさん勉強して名古屋に帰りたいです。
気になったニュース
ポケモン「プラチナ」の発売、「ハガレン」の再アニメ化・・・真面目なニュース では「事故米」です。いきつけのスーパーの米が・・・っ。

名古屋店(中野店研修中) 刈谷

2008ベスト


1位 「ネイチャージモン」刃森尊・別冊ヤンマガ連載中

寺門ジモンが肉とクワガタを熱く語るマンガです。とにかく肉が食べたくなります。

2位 「花と奥たん」高橋しん・スピリッツ連載中

だんなさんの帰りをひたすら待って、今日も奥たんはおいしそうなごはんをつくります。 SF設定の面白さより、とにかくごはんの内容が気になるマンガです。

3位 「センセイの鞄」谷口ジロー・アクション連載中

妙齢のヒロインとセンセイが毎回居酒屋で一緒に飲んで、話して。 事件が起こるわけではない日常がいいです、このマンガも、メニューがおいしそうです。

4位 「バクマン。」小畑健・週刊少年ジャンプ連載中

マンガ家を目指す中学生男子二人組。 赤マルジャンプに掲載されて、いよいよこれから。わかりやすく、きちんと面白い作品です。

5位 「中央モノローグ線』小坂俊史・まんがライフオリジナル連載中

中央線が題材の4コマ。他の作品と違ってモノローグまでぜんぶ手書き文字なのが、なんか同人誌ぽくていい雰囲気です。

6位 「レンタルお姉さん」比古地朔弥・マリカ掲載

風俗穣ではありません。引きこもりの人を訪問する支援団体で働く女性のことです。 半年でつぶれた扶桑者の「マリカ」というフィールヤングっぽい雑誌で連載されてました。

7位 「羣青」中村珍・モーニングツー連載中

レズビアンカップルの逃亡譚。正直絵はあまり好みではないのですが、重苦しいストーリーから目が離せなくなっています。

8位 「火曜午後9時」岡戸達也・アフタヌーン掲載

アフタヌーンの新人。3作一気に連載を開始したうちの一編。ルームシェアしている男女の、恋人同士ではないのにどんどんエロティックになっていく関係がいい。

9位 「シマシマ」山崎紗也夏・モーニング連載中

添い寝してくれる男の子をレンタルする店を経営する女性のお話。男の子が皆、違ったタイプの美少年で、掲載誌はモーニングだけれど、これ絶対、女性の方にウケると思うのですが。

10位 「ガラスの仮面」身内すずえ、別冊花とゆめ連載中

この作品については、雑誌にちゃんと載って、コミックスになる予定があるだけですごいとしかいえません。完結させてくださいね。
今年気になったニュース
今年のニュースは、ヤングサンデー休刊ですね。木曜の楽しみがひとつ減りました。 しかも連載の3分の1くらいが移ったヤングサンデー増刊がまた、書店で見つけにくいのが困りものです。

中野店・福田

2008ベスト3


1位 「ひまわりっ」東村アキコ

都会の女偏〜まんだらけ登場〜ウイング関先生×関羽で木綿のハンカチーフ〜野あたりの盛り上がりは神でした! 次巻はやく読みたい!
ママはテンパリストのごっちゃんも面白すぎるしビバ! 東村先生!!

2位 「ヘルプマン」11巻 くさか里樹

今までの白い装丁から一転、真っ黒な表紙に恐怖に満ちた老人のドアップが超印象的な最新刊、認知症編! 主人公の気持ちの描写がリアルでこっちまでハラハラ・・・。身近に起こってしまったら本当どうすればいいかわからん。怖い。ヘルプマン読んで勉強します。

3位 「特上カバチ!!」田島隆/東風孝広

15巻収録の、妻の浮気で思わぬ莫大なお金を手に入れた男がわけわかんなくなって駄目になっていく話が毎週とってもおもしろかったです。
近況
あと島耕作が社長就任を決意するまでの流れや、島耕作の個性的な秘書達が気になります。社名を考えたらもらえる100万円も超欲しいです。 ジャンプではトリコといぬまるだしっに注目中です。

中野店・野尻

2008年ベスト


1位「ネムルバカ」石黒正数

ちょっと破天荒だけど、 自分なりに現実を受け止めている先輩が眩しい。
実際に体験したことの無いシュチュエーションなのに、 懐かしく感じさせる何かがあります。 キャラクターの表情の豊かさが魅力的で、 久々に惹きこまれた作品。
石黒正数のタイトルはチェックすべきですね。

2位「結婚しなくていいですか? すーちゃんの明日」益田ミリ

20代後半の人以上なら、この感覚が分かるはず。 これからを考えつつも、今の自分の居場所も必要、 何からしていいか焦りつつ、それなりの生活を続けている。
問題提起はされてるんだろうけど、 肩肘張らずに読める作品。 花くまゆうさく並にシンプルな描線に こめられた思いを感じてください。

3位「すとぽに」広輪凪

一部で話題になっていると、 同僚から教えられ読んでみたのですが、 8割以上がおっぱい成分。 おっぱいトーテムポールを見た瞬間、 「これだ!」と思いました。
声を出して笑うような場面は少ないものの、 ニヤニヤが止まらない状況になるのは確実かと。

4位「恋愛ラボ」宮原るり

スポーツが得意で勉強が苦手な女の子と、 どんなことも器用にこなせるけど、少し抜けている生徒会長。 趣味も性格も違う二人のやりとりが楽しいタイトル。
何かに似ているなと思ったら、○リキュアでした。
恋愛について話し合うも、お互いに経験が無いため、 変な方向に行ってしまう二人。 絵柄は可愛いですが、男性向きの作品だと思います。

5位「狼と香辛料」小梅けいと

コミック化の際に気になった部分は、 ホロの可愛さと、リンゴを食べたいとせがむ場面の出来。 どちらも満足いくレベルだったので、購入。
2巻がなかなか発売されなくてやきもき。 女キャラに関しては、定評のある作者なので、 絵で十分楽しめるタイトル。 成年向けも書いているので、ちょっとえっち。

番外(小説)「秒速5センチメートル」

幸いコミック化されていないと言うべきか、 小説版が出ているので、ご存知の方もいるのでは。
2008年を振り返って、 悪夢としか言いようの無いダメージを受けた作品。 1話と3話のギャップの酷さは、天国と地獄以上。 見て1週間以上、気分が落ち込みました。
小説版を読めば救われると聞き、購入。
少し傷が言えましたが、また新たな火種を産みそうな予感も。
DVDを購入しつつも、未だ開封せず。 新海の新作が気になりつつも、 また同じ目に会うかと思うと怖いです。
近況
一年を振り返ってみると、 毎週の少年チャンピオンを楽しみにしていた、 もとい「範馬刃牙」を楽しみにしていた記憶しかありません。
ピクル編、面白すぎです。 久しぶりにワクワクしました。これからにも期待。
また、「侵略!イカ娘」、「現代怪奇絵巻」の クオリティも下がらず、嬉しい限りです。

本店2 イイダ

2008年ベスト!!


できるだけ広く、あんまり他の人とかぶらないように選びました。(と思ったけどそうでもないかもしれません) 「よつばと!」「聖☆おにいさん」「深夜食堂」とか大好きなんですが。
順不同、大いにネタバレありでございます。作家さんの敬称略。

「三国志」横山光輝

もともと興味なんてなかったものですから、キャラをいちいちメモしながら読みました。
「張飛 酒好き ヒゲ」「蜀 りゅうびのところ」とか。
でもいまだに全然覚えられてませんが。
赤壁の戦い以降、曹操がどんどんヘタレになっていったのがなにより悲しかったです。 あと「ひまわりっ」の影響で読むとどうしてもウイング関先生が頭に浮かぶようになってしまって・・・。

三国志ほどマニアに軽い気持ちで話をふってはいけないタイトルもないですね。(「となりの801ちゃん」や「きまぐれコンセプト」でもネタになってましたね)
ほか「大奥」(よしながふみ)、「日出処の天子」(おりょう様)と、今年は歴史ものも何作か読みました。 読みましたが、知識なんてなく、「へえ〜あの出来事はこう解釈するんだ」っていう楽しみかたが全くできなくてちょっとくやしい。教科書買って再挑戦したいです。

「少女ファイト」日本橋ヨヲコ

どうして誰も挙げないんだこんにゃろう!と。(TVBros.では大賞でしたが)
バシせんせ(と私は呼ぶ)作品ほどテンション高くてキャラ立ちしていてストーリーもきっちりしていて1話ずつちゃんとおもしろくて・・・な漫画なかなかないですよ。
ひとりひとり、どのキャラが主人公でもいけるくらいの密度の高さはすごいです。

そろそろ、いよいよルミコの話が語られそうでたのしみ。クミコもバレーやってたのだから、ルミコがバレーを始めるのもなにかしらエピソードがあったに違いない。
町蔵や鉄男にも出てほしいけどあんまり出ると主役たち食っちゃうだろうし・・・でも見たいなあ。
バシせんせだけに、シゲルが死んじゃうとか隆子が学に大変なことを!とかそんな展開にはならないでほしいと切に思います。

「青春少年マガジン1978〜1983」小林まこと

前知識がほとんどなく、単純に漫画として読んでいました。
表情の表現なんかが巧みでさすがベテランだなあとか思いながら。これをやってた時期のマガジンではいちばん面白かったと思います。
最終2話はほんとにショックでした・・・。
私はほんとに単に漫画としてしか読めなかったので、少年漫画とヴィンテージ漫画の担当者さんの感想が読みたいです。

「荒川アンダーザブリッジ」中村光

「聖☆おにいさん」が大人気ですが、そのわりにこっちに触れられることが少ないのはなぜなんだ! 2巻の帯なんて大暮維人先生が書いてるのに!

おもしろくて変でちょっと切ないときもある漫画です。
キャラはいっぱいいるのにマトモなのがいない。唯一のマトモな人だった島崎の崩壊ぶりに爆笑。
ラブ・イズ・ブラインドをここまで体現してる人はいない・・・。

中村光先生の漫画は舞台が荒川だったり立川だったりで、キャラはふつうじゃないのに親しみやすくて大好きです。「女性の眉毛なんてあったりなかったりで不安定なものだし、いいよね?」は名言。

おととしくらいからずっと推しているんですが、やっぱり「聖☆おにいさん」に比べると知名度の低さは否めません。いやブッダとイエスも大好きなんだけど、もったいないです! 3巻の表紙を見て「キャーかっこいい〜」って(だまされて)読んでみるもよし、8巻の表紙を見て「中村光は萌えキャラも描けるのかあカワイイ」って(だまされて)読むもよし。
ようは入り口はなんでもいいんです。ぜひお読みいただきたい漫画です。

「とっても!ラッキーマン」ガモウひろし

15年ぶりくらいに読みました。そしたらもう、勝利マンと天才マンのほもっぷりに驚愕・・・!
当時は全く気づかなかった(知識も意識もなかった)のに、15年の歳月は自分をここまで汚してしまったのか・・・。

それはともかく、ストーリーもキャラ付けも意外と(失礼)ちゃんとしてるんですよこれが。
ラッキーマンは自分のことしか考えていない、まあ正常な中学生男子といえるし、みっちゃんの性悪で勝手でわがままな性格も、こういう女の人いるよねって思うし。あと友情マンのうさんくささとか。
終盤は勝利マンがいちばん少年漫画の主人公ぽくなっていましたね。

「海街diary」吉田秋生

歳をとったのか・・・身につまされる思いがします・・・。
海があって山があって、鎌倉って舞台がぴったりですね。切なくてやさしい。

「地球へ・・・」竹宮恵子

ショックだった出来事として、いずれ読もうと思っていたこの「地球へ・・・」の結末をあっさり同僚にばらされてしまったってのがあります。 そして長年主人公だと思っていた(今も何の疑いもなく思っている)ソルジャー・ブルーの早すぎる死・・・・・・。
しかもこれ、間接的にジョミーが殺したことになるような・・・。あんまりショックで続きを読む気を失くしましたよ。読んだけど。
こういう世界観の話なのに「神」っていう概念が残ってるのが面白いなと思いました。

「魍魎の匣」京極夏彦/志水アキ

漫画にしてもアニメにしても、どうして「姑獲鳥の夏」からじゃないんだろう。
それはさておき、志水アキさん絵がすごくうまい!ていねいで隙がない感じ。
老若男女見事に描き分けてます。
榎さんがえらい美形で驚きましたが、そういえば榎さんて眉目秀麗頭脳明晰云々って設定だったっけ・・・。
関口のうだつのあがらないウツな感じとか、すごい、うまい。
このペースだと完結までどのくらい(話数、時間ともに)かかるのかが気がかりですが、展開を知っていてもたのしみです。

「初恋の70%は、」山中ヒコ

センススコムニスの山中ヒコさんです。
そういえば2008年は有名同人作家さんの初のオリジナルコミックスが充実していましたね。 「ふたりの男子」「きっかけ」「気持ち」しかない、10代男子ならではの、初々しいおはなしです。
女グセがよくないわりには純情な春日部がよい。
妙に古風というか「昔とったきねづか」なんて言葉、高校生男子は知らないと思う・・・。 ストーリーもキャラも特別なことはないのに、表情やせりふで読ませる力がすごいです。

「どうしても触れたくない」ヨネダコウ

ニトロ攻鉄のヨネダコウさんです。
中野店レディース部BL漫画部門ではたぶんこれが一番人気でした。
人気があるというか、評価が高い印象。
これもシンプルですね。シンプルだけどキャラが大人なぶん重くて、外川さんと嶋のどっちに感情移入しても切ない・・・。悲恋ものかなと思ったけどハッピーエンドでよかった。
小野田さんにはまた別の話で幸せになってもらいたいですね。最高の脇キャラでした。
2008年気になったオタクニュース
・「テニスの王子様」連載終了(また始まるらしいけど)
歌オチは初めて見ました。歴史に残りますきっと。
これとか、山岡と海原雄山が和解とか島耕作が社長になったとかがyahooのニュースになっていて、 もっと伝えるべきニュースがあるんでは・・・とちょっと疑問に思いましたが、日本はなんだかんだで平和なんでしょうか。

・「純情ロマンチカ」アニメ化
しかも2期まで・・・!BLがアニメになるような時代なんですねえ。 美咲がおとこのこである必要が全くないので、BLをよく知らない人や敬遠している人でもとっつきやすいのかなと。
自己紹介
どうもこんにちは。
中野店で少女漫画・BL漫画など同人以外の主におんなのこ向けの担当をさせていただいています、タムラと申します。
漫画は何でも大好きですが、読んでいる漫画誌は20誌くらいなので、まあ別にたいしたことはないです。 個人的なことだと、ベストにはあえて入れませんでしたが萩尾望都先生との出逢いがすごく大きかったです。漫画観が変わりました。
それから念願のアニメロサマーライブに初参戦できました!まさかJAMでおっくせんまんが聴ける日が来るなんて・・・!! 次回はUVERworldに参加してもらいたいですね。梨香さんもJAMに復帰してるといいなあ。
2008年は大殺界でした、2009年は停止です。病気と怪我のない1年を過ごしたいです。

中野店 タムラ

2008ベスト


1位「キングダム」原泰久

当初絵があまり好み出なかったので敬遠していました。
でも、横山光輝以外でも歴史漫画を読んでみようと思い、いきなり全巻買っちゃいました。 中国の春秋戦国時代から秦帝国の誕生までを描くのではないのかな?というストーリーで、主人公の信と後の始皇帝になる政を中心に史実通りに話は進んでいきます。
天下の大将軍になるという夢を持つ信の向上心や政の傀儡政権から抜け出し前人未踏の天下統一に向けた信念がかっこよく、心躍る展開も良いです。 それに王騎将軍がなんといっても気持ち悪いけど強すぎたりかっこいいのがいいですよ。

2位「孫子の兵法」

こちらも中国の春秋戦国時代を描いた漫画です。
歴史上の兵法家が皆これを読んで勉強したと言われる孫子の兵法を書いた天才孫武と、楚の平王に親と兄を殺され復讐を心に刻む、豪傑伍子胥の話です。
昔、文字で孫呉の兵法を読んだとき、よくわからないなぁと思っていたんですが。 漫画ですとビジュアルとわかりやすい注釈が書かれているので、とてもわかりやすかったです。
個人的にはこの漫画で私は兵法を繰り出す孫武より、復讐に燃え、狂ったように闘う伍子胥がとても好きになりました。 他にも伍子胥が出る漫画は読んでみたいと思っています。

3位 「屍鬼」藤崎竜

藤崎竜の待望の最新作です。
封神演義以来ワークワークやサクラテツ対話篇などあんまりヒットしていなかったのですが。今度の作品はとてもヒットする気がします。 ひぐらしのなく頃のように猟奇的な殺人事件がおきていく漫画で、なぜ村人がどんどん同じ症状で死んでいくのか?
一つ一つ解決していく漫画なのだと思います。まだ犯人が吸血鬼であるということまでしかわかっていませんのでこの後の展開が気になります。 原作は完結していますが、封神演義の例もあるので、どんどんフジリューテイストで変わっていくのかな?と思っています。

4位「スーパードクターK」「 DoctorK K2」真船一雄

どれも真船一雄先生の医者モノです。
子供の頃にスーパードクターKを読んで子供ながら医学を学んだような気になっていました。 最近また読みたくなってきたので、一気にシリーズ全巻を買ってしまい、一日で熟読してしまいました。 一気に読んでみると時代の流れが良くわかります。
一例としてスーパードクターKの時代には糖尿病は不治の病として扱われ、最新作のK2ではもう膵島移植手術によって根治するという話とかがあります。 これは現代の医学を学べるという点ではとてもいい漫画だと思いますよ。

5位「猫神やおよろず」FLIPFLOPs

同人時代から好きな作家FLIPFLOPs先生の初単行本です。
百合で、ほのぼの日常を描き春を呼ぶ神様とか厄神とかいっぱい神様出てくる作品です。 …あれ? これは普通に東方同人の作品ではないかと思うほどのオマージュっぷり。おもわず笑いと悲しみがいっぺんに出ました…

6位 「東方儚月抄」上中

今、ニコニコ動画でも大人気の東方シリーズ漫画です。
吸血鬼レミリア・スカーレットが月に行きたい言い出し、月では侵略者への対応という感じで二つの視点から描かれています。
時期はゲーム東方永夜抄の後の話ということで、原作のゲームをやってない人には時たま、「はい?」ということもありますが、 もともとZUNさんの文章は遠まわし的な言い方や意味のない発言などもありますのでそんなに深く考えなくてもいいのかな?と思います。 とりあえず東方が大好きな自分にとっては面白い作品です。
ニコニコ以外でも東方をもっと知っていただきたいので皆様もどうぞ読んでみては如何でしょうか?

中野店 紅楳

2008ベスト


1位「江戸川ハートブレイカーズ」須田信太郎

こういうマンガに逢えるからマンガ読みはやめられません。
ルーザーによるウィンニングロード。
「ダサかっちょいい」
主人公になれるはずのないマンガ主人公への最高の称号かと思いますよ。

2位「大市民日記」柳沢きみお

オッサンが好き勝手時事ネタを喚き散らして飯を喰らうだけの話。 なのに何故こいつを読んでるとこんなにも日々の生きる活力を得られるのでしょうか。
山形メニューや山形語録は反芻することに意味がある!金太郎飴よろしくどこからでも読めます。 気がつくと深夜ネギラーメンをつくって「美味し!」と叫ぶ自分がいました。
どうやら柳沢先生は自分と同郷出身の方らしく、理想のジジイ像が重なっていてもごく自然なことなのかもしれません。

2位「青春デンデケデケデケ」サダカネアイコ

青い青いと、一歩引いた安全な位置から人を小バカにするよな風潮が嫌いです。 どいつもこいつも平等に青二才でいいじゃあないですか。

24ページを開いた時に電車の中でぼろぼろに泣いたのを今でも鮮明に覚えています。 少年たちの生き生きとした表情に、見ていてキュンと胸が締め付けられる思いです。
バンド経験者なら頷いてしまう様な楽器への愛情や、バンド名をつけるときの気の昂ぶり。 おおよそのバンドマンが経験するであろう歓びが集約されている等身大ロック漫画です。

同名映画のコミック版、未読の方は是非。

3位「孤独のグルメ」谷口ジロー

大市民といい孤グルといい別にメシものが好きなわけではないのですが、聖地巡礼しといてこれを挙げないのはいかがなものかと思うので・・・。
技術力の無駄使いと勘違いしそうになるほど緻密に描かれた絵に味わい深いゴローちゃんの名台詞の数々が心地いいです。 どうしても追体験してみたくなり石神井公園に行ったときに、デジャヴュを感じるほどに谷口ジローの絵そのままに佇んでいる景色に感動すら覚えました。

好きな台詞話でおおいに盛り上がる本ではありますが、自分は
「ソースの味って男のコだよな」
「このワザとらしいメロン味!」
「ここはナメコ汁で決めよう」
ですかね。
因みに今まで食べたなかでは「大山ハンバーグランチ」(実際の名前は違いますが)が一番好きですね。

5位「ギャンブルフィッシュ」山根和俊

今チャンピオンが面白い。 自分は90年代後期のチャンピオンに連載していた骨太な作品たちがたまらなく好きです。 「東洋妖人伝用神坊」「ドンキー」「覚悟のススメ」などなどありますが、あの頃のような眼の輝きを甦らせてくれるのが本作です。
エクストリームギャンブル、色んな雑誌がやってますが、緊張感が最高潮に達したときの震えが抜きん出ています。 表紙と裏表紙から中身の面白さを伝えられてないのが残念ですが、人に自身を持って娯楽としてのマンガを進めるなら自分はギャンブルフィッシュを推しますね。

中野店 田中

2008年ベスト



1位「ヘレンesp」木々津克久

根はたぶん黒く残忍なのに心温まる話を混ぜてくる、またイイ話と思いきや残酷な話だったりする。そのバランスの取り方が絶妙で、それこそが木々津克久の魅力だと思うのです。
これは病気と奇形大好き、でもハートウォーム・・・な手塚先生の「ブラックジャック」に通じる凶悪さです。 だからヘレンが見せる周囲が戸惑うほどのどストレートの純真さにはだから癒しよりも攻撃力の高さを感じます。

1位「シンジュク村大虐殺」藤子不二雄A


昨年の「BEATITUDE」以降トキワ荘ブームが再燃。
「まんが道」→「愛知りそめし頃に」を再読し、 スタッフ有志と「第三次新漫画党」を結成(ただし党員誰一人として漫画は描けない)したりとあわただしい中、 國澤さんにこっそり見せてもらった藤子A先生の未収録作がコレ。

新宿のバーでアメちゃん兵士相手に会計ふっかけたことがきっかけで、 米兵が「ヘーイママさんパパさん!! 借りを返すぜ!!」といいつつマシンガンをブッ放して新宿が血の海になる、というベト戦・ソンミ村ネタ。面白い、というより、ただただア然。
本店にこの作品のコピーを貼っておいたところ「この作品どこに収録されてるんですか!」と問い合わせが殺到。さすが中野です。

1位「青春少年マガジン1978-1983」小林まこと

島本和彦「アオイホノオ」には80年代の第一次オタク、アマチュアたちの奔放さが描かれてましたが、 対しこちらは小野新二・大和田夏希というけしてイマ的でなく、省みられることがない作家ふたりの壮絶なる生き様で、 プロとしてマンガを描きつづける苦しさを表現。
5日連続徹夜が実話ってスゴい。
さらっと「楠みちはるとは長いこと絶交してたが最近きうちかずひろ氏の仲介で和解」などとオトナの事情がさりげなく挿入されてるのもイイ。

1位「ファイトマンの単車野郎」松下哲也


「ファイトマン」という全身マックロの男が、何の説明もなく空を飛んだり馬に乗ったり人を殴りつけたり、 チンポの大きさ比べしたりバイクを開発したりするマンガ。

ファイトマンが何モノなのかという謎に対しては一言、超大きな写植で「イカス奴」とだけしか書かれないという野放図さにも仰天。 「デッカイ肝玉」だけで1ページとか、写植の使い方が最高によい。

怪作すぎて本来はベストに入れる作品ではないけど、貸本マンガのアバウトとデタラメさには惚れ惚れするよ。

1位「ジャイアント・キリング」ツジトモ

今年のモーニングが好調、といわれた背景には皆が「ジャイアントキリング」に夢中になってたってのが欠かせないと思う。
ツジトモは見せ場の作り方が上手いし、絵も魅力的。そして綱本将也の原作でなければ、こんな面白くならなかったはず。奇跡的タッグです。 じゃあ同じく綱本将也原作のサッカーマンガでありながら「U-31」がまるで読む気にならないのは何故だろう? ・・・絵がヘボいからですね!

2位「ミツバチのキス」伊図透

すごい人が出たと思う。アフタヌーンではなくアクションでこういった作家が出たのがうれしい。

2位「ノノノノ」岡本倫

去年に続き。皇帝が最高。岡本倫先生大好き。

2位「孤高の人」坂本眞一

登山マンガ。谷口ジロー「神々の山嶺」読んだあとだったからなおのこと良かった。
人と交わることが出来ず、ひとりで山に上ることしかできない孤独な主人公と、モデルになった登山家の姿がどのようにシンクロしてくのか楽しみ。 1巻でヒロインだった子が5巻ではとんだビッチになってて、主人公フェラされるシーン(ネチッこい描写!)に涙。

3位「トモガキ」「赤い虫」ちばてつや


両方ともちばてつやが漫画家として駆け出しだった頃の回顧記。いずれも読みきり。
トモガキはトキワ荘の思い出が語られてビックリ。 そういえばトモガキって掲載ヤンマガだったけど「新宿スワン」「女神の鬼」(←これも今年よかった!)とちばてつや先生が同掲、ってありえない。どんな雑誌だろ。

3位「シュトヘル」伊藤悠


ヤンサンと合併したら方向性わかんなくて鈍くなった、って言うけど、スピリッツはもう2年以上前から末期的にヌルくてツマんなかった。
雑誌読み派の多くが月曜日に「ウシジマくん」しか読まず、あとは余裕があるとき目ェー通そう・・・って心境になってた、「京大M1物語」開始のあたりがスピリッツの最弱ラインだったのでは。

そのダメスピリッツの中で、まだ2話なのにこのワクワク感は何だ! そしてこの戦いの描写はなんだ! 伊藤悠ならではのちょっとした不親切はあるにせよ、2話でベストに入れることに躊躇ナシ。 「シュトヘル」と来年始まるって話の花沢健吾の新連載だけがスピリッツの頼みの綱だと思います。

4位「ネイチャージモン」刃森尊/寺門ジモン

ツジトモと網本将也のタッグが相乗効果だとすると、こちらは負と負をカケておおっきくプラスになったパターン。
ものを見る目は確かだけれどホメるたびにケナしたのと同等の効果が得られるほどクドくてウザい寺門ジモンと、そのクドさをよりクドく伝えられる刃森尊。 結果ジモン本人が目前30センチで汗かきながら大声で語ってるかのごとく暑苦しいマンガが完成。
カップ焼きそばの湯をわざと1分50秒で捨てるみたいなマンガだ。
刃森センセイの巧みな顔シワ効果でやたらと似てるジモンと、センセイが好んで使う太い明朝体の写植がイイ効果!

4位「ラッキーマイン」鈴木マサカズ

4位「けだものドクター毒島」桑沢篤夫


ずっと単行本探してて今年ついに入荷。
でも車椅子ネコの話が収録されておらず超落胆。絵を見ると分かるようにこんなマンガです。

4位「東京怪童」望月峰太郎

思ったことを全て口に出す少年ハシと、ところ構わずエクスタシーに達する少女・花がイイ。でも絵がアメコミみたくなったなあ。

5位「真説JINKI」綱島志朗

ラストの青葉ちゃんの破瓜シーンに涙。

5位「ライバル」ヒラマツ・ミノル

スピリッツカジュアルに掲載されたプロ野球マンガの読みきり。
ロートルピッチャーの引退試合の話だけど、プロ野球ってものの演歌っぽさが、ああ「REGGIE」ぽくていいなあ・・・って和んだ。 プロに一瞬だけ訪れる生涯最高の瞬間の描き方も良かったなあ。もっかい野球マンガ描いてくれないものでしょうか。

5位「うすバカ風俗伝」東陽片岡

ひたすら人妻デリヘルで遊びつづけた記録を漫画化したもの。
とんだババが来てもカネ払ってる以上やることはやるヨ・・・っていう男のマヌケさと悲しさが全て詰まった記録集です。 「人妻風俗にいくことは地雷原にピクニックに行くようなものです」とはけだし名言。

番外1位「HUNTER×HUNTER」

そりゃ当然でしょう、だってその他すべてを圧倒するほど、続きが気になるんだもの。
2008年、ほかにいろんなマンガがあったけれど、ハンター以上に続きが気になったかといわれたら、それ以上なんてないし、ハンターの26巻+連載20回以上にすごかったマンガも出なかった。 集中して読みたい・・・と強く感じすぎるあまり呼吸すら整えたマンガなんて、ここ最近ないなあ。読み終えてしまうのがもったいないと思うマンガも。

だけどやはりこれを1位にするのはどうなのかな・・・さすがにどんなに面白くとも、待って待って待った末、続きが読めたのが半年後というのは。
その愛憎を考えるとトップでありかつ最下位、というのがふさわしい。

↑上記文は去年からのほぼコピペ。王とネテロ会長がいざ対決、って展開で延々とまた待たされるってヒドイ! 2009年ベストで同じことを言わないように祈りたいなあ。

成年コミックス

順不同。
痛かったり悲惨な目にあったり痴漢、陵辱、レイプ、調教、断面図、あととんだスカトロとか、そういうの全部苦手なので偏ってると思います。明るいのが多いですね。

「少女マテリアル」鳴子ハナハル
「いつも君を感じてる」葉雨たにし
・・・雪国育ちとしては「こたつ大好き」が。冒頭で走ってるバスは越後交通?
「満開乙女」めいびい
「中年チャンプ」中年
「な美るる」てりてりお
・・・一般誌で描くべきだと思う。
「あったかく、して。」雨がっぱ少女群
・・・作中の『家庭菜園』にビックリした。

成年コミックス番外

ハッチ先生の諸作品
何を読んでも読後感真っ暗でウンザリさせられるのに、新作は必ず読んじゃうんだからハッチ先生はすばらしい。ホントにすばらしい。

中野店 岩井

※この記事は2009年1月14日に掲載したものです。

お問い合わせ (営業時間:12:00〜20:00)

まんだらけ中野店(詳しい店舗地図はこちら)
〒164-0001 東京都中野区中野5-52-15
TEL:03-3228-0007 / e-mail:nakano@mandarake.co.jp