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永島はそのキャリアの極初期、貸本時代の数作品を本名の「永島眞一(慎一)」名義(後に誤植により 著者クレジットが「慎二」となってしまうケースが起き、以降、本人がそれに乗る形で「永島慎二」として定着)で発表しています。
この「丹兵衛 行状記」もその内の一冊で、極初期にしか存在しない「眞一(慎一)」名義作品の最後期の一冊となります。
発行は昭和30年5月1日、B6版・カバー付き上製本。
若木書房の「傑作漫画全集」シリーズ(全654巻のうち)の75巻にあたります。
物語は百万両の財宝の鍵となる千金びょうたんをめぐり、丹兵衛とキヨ姫、米丸が活躍する時代劇物。
設定はよくある時代物ですが、数あるこの時代の作品と比べ抜群に絵が上手く、特に登場人物の顔はそれぞれに特徴があり、生き生きしています。
昭和27年15歳のデビュー作「さんしょのピリちゃん」より3年、プロ の漫画家として、いよいよ高まる実力。若さ溢れたエネルギーは、後の 「フーテン」や「漫画家残酷物語」とはまた違った永島慎二を見る事が出来る貴重な初期作品です。
状態は本体糸とじなしの非貸本。多少のヤケ・汚れはありますが割れ・致命的な破れ等なく 比較的状態良好です。カバーは背と折り返し部分のイタミが強く欠損もありますが、カバーが現存する事が珍しい現状でしっかりと 残っていて張り付きもありません。この機会に是非。
若木書房 永島慎一『丹兵衛行状記』 ¥105,000
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(担当 福田)
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