今回ご案内するのは岸大武郎「恐竜大紀行」です。
この作品、いわゆる恐竜を主人公に据えたドキュメンタリーチックな作品。
連載はなんと、かの週刊少年ジャンプです。
今のジャンプからは全然想像できませんが、伝記漫画の大御所諸星大二郎先生やSF漫画で著名な星野之宣先生もジャンプの手塚出身であり、昔のジャンプはこういった独自の路線も受け止められる土壌が揃っていたのでしょうか。
とはいえ、一話完結のオムニバス形式で主人公が恐竜、もしくはその頃の動物、というのは当時のジャンプ少年には垣根が高かったらしく連載は長くは続きませんでした。
そんな「恐竜大紀行」ですが、内容は主人公を恐竜達にし、彼らの過ごした弱肉強食の世界を時に知識を交えながら紹介していく内容。
恐竜達はある程度擬人化されているものの、基本的には話はシリアスで過酷な世界をいきる恐竜達の世界が描かれています。
やはり、この作品の素晴らしい所は恐竜は「滅ぶ」ことが読者にはわかっており、それでも懸命に今日を生き抜いていく恐竜の姿でしょう。
この作品をついて岸大武郎先生は「普遍的なものをテーマにしよう」「恐竜は生きていた。かつてこの大地に確かに息づいていた」と語っています。
生きること、食べること、そして滅ぶこと、そんな普遍的で絶対的なテーマに真っ向から挑んだこの作品の価値は何年経っても薄れることは無いでしょう。
今回は、集英社から発刊されたハードカバーA5版と、JIVEが発刊した完全版A5をご用意しました。特に集英社版はなかなか出てこないものです。
内容としては、完全版のほうが数ページの描き下ろしと鳥山明先生と岸大武郎先生のあとがきが付いております。
どちらもありがたいことにカラーページは再現されております。
また、なかなか入荷の少ないジャンプコミックスから出している岸大武郎短編集「21世紀の流れ星」も一緒に出します!
こちらの方には先生の手塚賞入選、準入選の作品が収録されております。
どちらもSFチックな先生らしい作品です。
手塚賞といえば、未だに漫画の賞では圧倒的存在感がある賞。26回、29回の手塚賞での入選、準入選の作品なのでこの頃はかの手塚治虫先生が審査を自ら行っていた時でもあります。
多くのSF作品を手掛けた手塚先生がSFチックな岸大武郎先生の作品を推していたのかも、と考えるとなかなかわくわくする話ではないでしょうか。
また「箱舟」という短編も同じく手塚賞出身の星野之宣先生のようなハードSF作品。こちらも必見です。
そんな「恐竜大紀行」と「21世紀の流れ星」は本店IIのショーケースにて販売します!ご興味がある方は是非本店2まで足をお運びください!
(担当 黒田)
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