まんだらけ渋谷店記憶×大予言ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコスリラー、貴志祐介「悪の経典」

悪の経典セット
貴志祐介

/あらすじ
生徒に絶大な人気を誇り、PTAや職員の間でも抜群に評判のいい教師が反社会性人格障害(サイコパス)だったとき、惨劇へのカウントダウンが始まった。

貴志祐介さんは詐欺師(モンスター)である。
それが僕の持論なのですが、それが今回ではっきりと確信しました。

人間の心の闇を上手く書ける作家さんは限られていますが、貴志さんはその闇を描くのも上手いのですが、その闇の中に光があるように（実際には儚く、また皆無だったりしますが）みせるのが非常にうまいんです。
本作の主人公も作中で話していますけど「人は誰でも自分が信じたいものを信じる」権利を持っているため、光の存在を信じて読み進めてしまいます。
そこが読みやすさと相まってベストセラーになっているのでしょうけど。

初期のサイコスリラー、モダンホラーである十三番目の人格 ISOLA や黒い家では光（希望）の側の視点で読み進めることができるのに対し、今回は主人公が圧倒的な負の側。
つまり闇主点で書かれています。
とまぁ、個人の見解はさておいて、この作品無料で公式特設サイトから第一章がダウンロードでき読むことができます。
（ハスミンのツイッターまであってびっくりしましたけど）
今夜ダウンロードしてみて続きが気になった方はご来店ください。
貴志祐介の作品以外にも、モダン・ホラーや怪奇幻想文学など多数御用意してお待ちしています。

(担当三次)