
さよならドビュッシー (『このミステリーがすごい!』大賞第8回大賞受賞作)
中山七里:著
宝島社/2010年1月22日発行・初版
※定価は1470円 (税込)
¥840
『このミス』受賞作は毎回購入しているのですが、ここ最近の新人作家のミステリと名の付く小説の中で個人的に頭一つ抜きん出ていたのが、この「さよなら ドビュッシー」です。 音楽、その中でクラシックというジャンルとミステリを融合させた意欲作。
正直ありきたりな展開で進んでいくと思っていたのですが (それはそれでそういうパターンでも僕個人は好きなのですが) そうはならず、ラストに仕掛けられた罠 (多少強引な気はしますが) によって、読後感は重くなく、そして奇妙な心地よさになることかと思います。 日常の謎ミステリではなく、人の命を奪う『殺人』が絡んでくる (一風変った) ミステリに仕上がっています。 ただの青春ミステリではないですよ。
上記の本のあらすじ/
ピアニストを目指す遥は、ある日火事に巻き込まれて全身大火傷の大怪我を負う。それでも夢をあきらめずに猛レッスンに励んでいた。ところが周囲で不吉な出来事が次々と起こり、やがて殺人事件まで発生する。
午前零時のサンドリヨン (第十九回鮎川哲也賞受賞作)
相沢沙呼
東京創元社/2009年10月15日発行・初版
※定価は1995円 (税込)
¥840
前出の『ドビュッシー』もそうですが、こちらも変ったタイトル。ちなみにこちらは日常の謎ミステリ。 本作は上のタイトルとは違いキャラクターにハマリました。 新刊ではANOTHERのメイ以来、キャラが頭の中で動いていました。
話は各章から成り立ちますが、順に読んでいかないと?マークが出ることあるかと思いますので、きっちり順に読んであげてください。 個人的には (ラストも同じく) もっと濃厚な作りにして欲しかったですが、このテンポの良い文体は非常に読みやすく、あっという間に読んでしまいました。
各章から成り立つので一つ一つの話が短いのが物足りなかったですが、決して嫌ではなく、二章目、三章目と続くと不思議と引き込まれてしまい、まるで作者自身がフェイになったかのよう。
P・D・ジェイムズファンには怒られそうですが、やはり『背中にナイフを刺されて大邸宅の書斎で発見される死体。貴族階級出身のきざな名探偵。外には都合よく雪が降っていて手がかりを隠し、警察の捜査陣はお手上げになるが、名探偵だけはふしぎとなんでもお見通し (「パブリッシャーズ・ウィークリー」1976年P・D・ジェイムズインタビューより抜粋) 』なミステリーが好きなボクとしては、こういったミステリの書き手がどんどん現れてくれないかなと思ってしまいます。。
では新年も新刊のSF・ミステリ買取かけて入荷させていきますよ!
(担当 三次)
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