まんだらけ小倉店 1F 少年コミック『マッチ売りの少女』の物語の中にむりやり入って女の子を助ける人たちの話

現在、少年コミック界において著名な週刊少年誌といえば、ジャンプ・マガジン・サンデー・チャンピオンなわけですが、各雑誌とも当然ながら特徴みたいなものがあるように思えるのは、特にその雑誌の愛読者でなくとも感じるところだと思います。
たとえばジャンプであれば、いわずもがな”努力・友情・勝利”であり、少々のつじつまや理不尽さなど吹き飛ばすようなパワーだったり、マガジンであればちょっと不良っぽかったり、かわいい女の子との恋愛が交えられていたり、チャンピオンであれば、スポ根だろうとギャグだろうと萌えだろうと面白ければ何でもかまわないというようなごった煮のよさだったりします。

ではサンデーのよさってなんだろう、と考てみると、それは少々のストーリーの停滞など気にせず、大長編マンガを楽しめるところにあるのではないだろうか、などと勝手に思ってみたりします。

ちょっと考えてみるだけでも、「メジャー」「名探偵コナン」「犬夜叉」など、他の雑誌ではほとんど見ることのできない10年越えの連載がいくつも浮かんでくる（しかもこのうち二つが現役）あたり、サンデーという雑誌の特徴の一部が見えるような気がします。

前置きが長くなりましたが、今回紹介する「うしおととら」も、連載期間6年半。
単行本も新書サイズで33巻＋外伝1巻と、間違いなく十分な長期連載です。
しかし、「うしおととら」という話は、要約すれば「主人公が不思議な槍と妖怪たちの力を借りて強大な悪の妖怪を倒す話」というふうに、たった一言ですんでしまう話でもあります。
世に長期連載は数あれど、ここまでワンエピソードのみでこれだけの長い話（しかも週刊連載）を描いた作品は稀有でしょう。
なぜこんな長さが必要だったのでしょうか？

担当はこのマンガを連載開始からずっと読み続け、現在に至るまで大ファンですが、それでも初読時にどうしても納得のいかないことがありました。詳しく書くとネタバレになるのですが、ようするに登場人物たちの出会いが偶然ではなかったという部分が、当時十代だった自分には陳腐な展開のように思えたのです。主人公たちは偶然出会って、偶然大きな戦いに巻き込まれることになったからこそよかったのに、それが運命とか宿命ですむのはなんだかなあ…というのが当時の重いでした。

しかし、作者の藤田先生は「銀河英雄伝説」の大ファンであり、銀英伝では「運命なんていやな言葉」「宿命なんてもっといやな言葉」という内容が主要人物によって語られています。にもかかわらず、藤田先生には「うしおととら」の登場人物たちに運命や宿命を負わさせる必要があったわけです。
その理由とは、おそらく登場人物たちに作品内でちゃんと生きさせたかった、ストーリーの都合のみで生きてほしくなかったからだと思います。
ただかわいそうなだけの、マッチ売りの少女のようなキャラが出てこないように。

お買い求めの際は、是非まんだらけ小倉店へお越しください。

また、通信販売も受け付けております。こちらからどうぞ。

※掲載商品は店頭でも販売致しております。売り切れる場合もございますので予めご了承ください。
現在、少年コミック界において著名な週刊少年誌といえば、ジャンプ・マガジン・サンデー・チャンピオンなわけですが、各雑誌とも当然ながら特徴みたいなものがあるように思えるのは、特にその雑誌の愛読者でなくとも感じるところだと思います。
たとえばジャンプであれば、いわずもがな”努力・友情・勝利”であり、少々のつじつまや理不尽さなど吹き飛ばすようなパワーだったり、マガジンであればちょっと不良っぽかったり、かわいい女の子との恋愛が交えられていたり、チャンピオンであれば、スポ根だろうとギャグだろうと萌えだろうと面白ければ何でもかまわないというようなごった煮のよさだったりします。

ではサンデーのよさってなんだろう、と考てみると、それは少々のストーリーの停滞など気にせず、大長編マンガを楽しめるところにあるのではないだろうか、などと勝手に思ってみたりします。

ちょっと考えてみるだけでも、「メジャー」「名探偵コナン」「犬夜叉」など、他の雑誌ではほとんど見ることのできない10年越えの連載がいくつも浮かんでくる（しかもこのうち二つが現役）あたり、サンデーという雑誌の特徴の一部が見えるような気がします。

前置きが長くなりましたが、今回紹介する「うしおととら」も、連載期間6年半。
単行本も新書サイズで33巻＋外伝1巻と、間違いなく十分な長期連載です。
しかし、「うしおととら」という話は、要約すれば「主人公が不思議な槍と妖怪たちの力を借りて強大な悪の妖怪を倒す話」というふうに、たった一言ですんでしまう話でもあります。
世に長期連載は数あれど、ここまでワンエピソードのみでこれだけの長い話（しかも週刊連載）を描いた作品は稀有でしょう。
なぜこんな長さが必要だったのでしょうか？

担当はこのマンガを連載開始からずっと読み続け、現在に至るまで大ファンですが、それでも初読時にどうしても納得のいかないことがありました。詳しく書くとネタバレになるのですが、ようするに登場人物たちの出会いが偶然ではなかったという部分が、当時十代だった自分には陳腐な展開のように思えたのです。主人公たちは偶然出会って、偶然大きな戦いに巻き込まれることになったからこそよかったのに、それが運命とか宿命ですむのはなんだかなあ…というのが当時の重いでした。

しかし、作者の藤田先生は「銀河英雄伝説」の大ファンであり、銀英伝では「運命なんていやな言葉」「宿命なんてもっといやな言葉」という内容が主要人物によって語られています。にもかかわらず、藤田先生には「うしおととら」の登場人物たちに運命や宿命を負わさせる必要があったわけです。
その理由とは、おそらく登場人物たちに作品内でちゃんと生きさせたかった、ストーリーの都合のみで生きてほしくなかったからだと思います。
ただかわいそうなだけの、マッチ売りの少女のようなキャラが出てこないように。

お買い求めの際は、是非まんだらけ小倉店へお越しください。

また、通信販売も受け付けております。こちらからどうぞ。

※掲載商品は店頭でも販売致しております。売り切れる場合もございますので予めご了承ください。

(担当小野)