以前もこちらで取り上げたオカルト雑誌「ワンダーライフ」。
その編集者が同誌廃刊後に綴った回顧録が入荷しました。
かつてどこかの書評欄で見かけて読みたいなァと思ひつつ、タイトルも失念したままになってをりましたがこんなカタチで見つかるとは、まさに「まんだらけ大予言」冥利です。
内容については以下に引用させてもらひませう。
「この雑誌を編集している間に、私たちは色々な不思議を体験させられた。
といっても人が空を飛んだり幽霊に抱きつかれた、というのではない。
〈中略〉そんなものではない不思議―つまり、おかしなおかしな人物に巡り会えたのである。それを私たちは『神サマ』とよんでいた。
〈中略〉この本は、そうした神サマについての本である。『ワンダーライフ』という雑誌のまわりにやってきた不思議人物のカタログのようなものである」
つまりは変人譚でありますが、そのなかでも個人的にヒットした人物例をひとつだけ挙げて置きます。
「ある日、例によって読者から電話がかかってきた。
『あすかあきお先生の電話番号を教えて下さい』
『読者の方に執筆者の電話はお教えできないことになっております。編集部付けでお手紙をいただければ、あすかさんにお届けしますが』
『いえ、ぼく、普通の読者とは違うんです。あすか先生といつも一緒にいるものなんです』
『はあ?いつも一緒にいる方なのに、電話を知らないんですか?』
『ショック・サイエンスっていうまんが、読んだことありますか?』
自分のやっている雑誌に載っている作品だ。当然読んでいる。
『あそこに「サイ九郎」って出てくるでしょう。じつはあれ、ぼくのことなんです。ぼくがサイ九郎なんですよ』」
これは現役でWL読者だった人でないと或ひは全く面白くないかも知れません。
あすかあきお氏が自身を主人公とした虚実混交作品のセンセーショナルなマンガを毎号連載するものだから、ワタクシを含めた純朴な読者は本気でダマされてしまってゐたワケですが、ダマされ過ぎて自分が「サイ九郎」といふマヌケな登場人物だと信じ切ってしまった読者もゐたんでせうな。
現役読者であれば、これだけで絶対本書を読みたくなってしまふハズです。
みんなサイ九郎みたいなもんだったワケだから。
ワタクシが個人的に知ってゐる数少ない現役WL読者も、現在はやはりそれぞれスピリチュアルな世界で活躍してをります(ひとりは入山して蟄居修行中)。 それぞれのサイ九郎は立派に成長しましたよ。ありがたう「ワンダーライフ」。
といふことでワタクシのまだ知らぬサイ九郎もまだ全国に散在してゐるハズですが、そんな人に是非おすすめです(ちなみに三神タケル=サイ九郎説もありますがどうなんでせう)。
「まんだらけ大予言」にて是非。
(担当 麻生)
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