まんだらけ中野店 4F 大予風水、曼荼羅

『風水とデザイン』￥1260 1992年

風水といふものが定着して久しいやうに感じられます。
しかし、その一方で逆に従来からの「家相」を無視した新築住宅がつぎつぎと建設されてをり、さういふところに引越したせゐで色々と悲惨な目に遭遇するといふ例もめづらしくありません。
なんでそんなことになるのでせうか。端的にいへば「天地の気の流れ」といふものを無視するからであります。つまりは風水とはその「気流」と調和して生きるための智恵の結晶なのであります。

本書はいはゆる実用的な風水マニュアルではありませんから、これを読んで部屋の配置がどうのかうの、といふことにはなりません。
より根本的に風水思想を多角的に考察したムックです。もし本書を通読してその概要を把握することが出来たなら巷間に氾濫する風水情報に翻弄されることもなく、家相、方位と云ったモンダイにも自己判断により臨機応変に対処できるやうになることでありませう。
ビジュアル多数。鎌田東二さんも対談記事で登場してをります。

『アジアのコスモス＋マンダラ』￥1575 1982年

本書は広くインドからチベット、中国、朝鮮、日本まで東アジア全般に流布した曼荼羅を収録したムックです。
曼荼羅はなにも仏教に限ったものでなく、ヒンドゥー教、ボン教、道教、神道、修験道まで実にさまざまなバリエーションがあります。

曼荼羅といふのは宇宙をヴィジュアル化したものでありますが、一体全体どうしてかういふデザインになるのでせう。どの曼荼羅をみても静かな狂気が感じられて仕方ありません。
愚生個人としては本書後半に掲載されてゐるやうな中国の仙境図(正確には曼荼羅の範疇には入らない)が一番でありまして、そんなものを見てゐると何時のまにやらフワフワとタマシヒが神游してしまひさうな、そんな心持にさせられます。

(担当山口ケン)