まんだらけ渋谷店キミの人生星いくつ？

日本が生んだ世界的人気を誇る格闘技イベントと言えばご存知K－1（グランプリ）。
そもそもこの「K－1」というのもカーレースの「F－1」からきていることすら忘れ去られているくらいのネームバリューを持つまでに至りました。

K－1出現以降、「X－1」「P－1」「S1」「ナントカ1」など、イベント名に「○○-1」と冠するパターンを多く見かけるようになりました。

では、「D－1グランプリ」とは？

今回ご紹介するのは、人間の内面の深淵を描かく事に関しては他の追随を許さない、花くまゆうさくの新刊です！

『ダメ人間グランプリ』（花くまゆうさく/青林工藝舎）

「K－1」の「K」には“空手”“キック”“クンフー”など、あらゆるKのつく格闘技のエッセンスを含むという意味が込められているのですが、この「D－1」には“ダメ”を始め“童貞（DT）”“ドン臭い”“ダサい”“ド変態”“どうしようもないヤツ”その他諸々のろくでなしが続々登場します。
各々自分のダメさに気づいている者、そうでない者と違いがありますが、彼らのもとに共通して現れるのが「ダメ人間にだけ見えるパートナー」という妖精（？）。
彼らがダメな言動を起こすとたちまち目の前に現れ、「オエー」と反吐を吐くのです。
しかしダメな彼らはそんな妖精のいうことを受け入れず、自分はダメじゃない！とさらにダメな方向へ・・・。

実に69名の、世の中に不適合なろくでなしがA～Hブロックにエントリー。余りに熾烈なトーナメント表が出来上がりました。
といっても実際に試合形式を採っているわけではなく、誰がイチバンかは読んだアナタが決めてください。

それにしてもどこから読んでもダメ、ダメのオンパレ、ヒッパレ（しかも簡単に人がころころ死ぬ）。
フツーならちょいと高めの目線から笑い飛ばして読むものなんでしょうが、ページが進むごとにダメなヤツにもダメなりの苦悩、苦労、痛み、理由があって、その中でもがきながら生きているということを感じることも出来ます。
果たして自分はここに書かれている全てをヒトゴトと笑い飛ばせるほどのモンなのだろうか・・・。あれ、なんだろ。ナンセンスなギャグマンガなのにおかしいね。涙が出てきたよ。アハハッ。

ニューウェーブコーナーにて。

(担当清水)