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梶原一騎原作漫画の中でも、最も謎の多き作品が画・南波健二による『ウルフの調書』。 連載期間は1974年9月〜1975年1月その間に「コミックサンデー」は「漫画キック」へ誌名変更となります。 誌名をまたいで連載が続いた唯一の作品という所からも一水社の気合の入れようは伝わってきますが、何故「愛と誠」連載中のこんな時期にこんなマイナー誌でと思うのが普通です。 さらに掲載誌であるコミックサンデーが国会図書館など公共機関、さらには現代漫画図書館にも所蔵がない雑誌。 僕がこの作品にはじめて触れたのは「コミックサンデー1974年10/31号」。 サンボウルの地下でやってたアメリカ村大古本祭たぶん第1回か第2回の入札商品でした。 20歳そこそこで梶原一騎の漫画原作に関しては、そこそこ詳しいと自惚れていた時期だけに、まだ自分の知らない作品があるという事が腹立たしく、誰にも読ませてなるか!と結構な出費をした事を覚えています。 その後、研究サイトなどでこの作品の存在がある程度知られるようになり、個人研究家やコレクターの方々による必死の捜索で掲載誌全10冊中9冊までは発見されたものの、ラスト一冊1975年1月9日号は見つからないまま・・・5年ほど経ったと思います。で、今回発見した訳です。 たった5年ではありますが、現在未収録掲載誌では少年向け月刊誌を遥かに上回る難易度だと思います。 「まんだらけZENBU32号」に掲載されている真樹先生インタビューで、『ウルフの調書』は真樹先生によるものではないか? という質問をするにあたっての糸口となったのが最終話「裂けた絆」。 「漫画キック1975年1月9日号」はこの前編が収録されています。 インタビュー時には後編のみを読んで『ワル外伝』のエピソード「コンクリートジャングル」と『ウルフの調書/裂けた絆』の類似性について話を進めた訳です。 ここまで話すと『ウルフの調書』を梶原一騎原作とすべきかどうかの問題が出てきますが、ファンの間で一般的に言われる狂気の時代以降の作品に何作かに、「まんだらけZENBU32号」インタビュー中にあるような制作過程があったのではないかという考え方を与えてくれる作品として梶原一騎原作扱いで問題ないのではないでしょうか。 ある視点においては作家を語る上での根幹を揺るがすくらいの破壊力があり、多くの読者が駄作と評す。 まさに広く読まれなくていい作品の典型で最高だと思いませんか? 早くも2007年ベストかな。 (次点は「ハイブギ」)
(担当 國澤)
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