2006/6/17掲載
まんだらけ 渋谷店

オタクといえば


今や国際語となった“オタク”。発生当時からすると若干その言葉の持つ意味合いやニュアンスは多様化しているようですが、いずれにせよまんだらけとは浅からぬ因縁(?)を持つ言葉、及び人種であることは相違ありません。
しかし時代は移り、『電車男』以降は“アキバ系”なる人種及び文化が社会現象を巻き起こす昨今。
“オタク”が現在では幅広い意味でのマニアを指すのに対して“アキバ系”とは地名が表すとおり、かなり絞り込まれた層を指しているのが伺えます。
しかしこちらこそが元来“オタク”と呼ばれていた人達からなる文化圏であり、いわば“オタク”の進化形であると、ボクは勝手に解釈しております。

そして、元祖“オタク”といえばこの人物をおいて他にありません。そう、その名も「宅八郎」!!
当時“オタク”という言葉が世間を騒がせたと同時にそれに便乗するように登場、しかも「オタク」と、当時御存命だった元プロボクサーであるタレント「たこ八郎」をひっかけた安直なネーミング。“オタク族”のイメージとしてただ伸びただけのロン毛(というよりは長髪)に紙袋、そしてこんなヤツいた!?的なマジックハンドという出で立ちでキモさを体現していました。
この方、実はオタクでもなんでもなく、とてもクールな女あしらいをするなどの告発があったりとそのキャラクターに対する信憑性を問われたり(実際、現在は新宿のホストクラブに不定期勤務している)もしましたが、時の流れに応じて「オタキング」なる人物にオタクの代弁者役を取って代わられつつ現在もなお“オタク道”のど真ん中を邁進しておられるのです。

という訳で、今回はこちらの本をご紹介。

『イカす!おたく天国』(宅八郎・著)

どーですか、このジャケ!マジックハンドとともに氏の代表的アイテムだった森高フィギュアを手にはにかんだ笑顔。今よりだいぶスマートではありますがキモいビーム大放出。
しかしこの本、アニメ、漫画、アイドルなど現在のA系の王道カルチャーだけでなく、あの“尊師”や勝新ほかB級映画、そして対談相手に小田晋や佐川クンなど、どちらかというとかなりサブカル度の高い内容なのが興味深いです。
そういえばこの方かつては某P誌の小峯サンと激しく揉めたりしてましたっけ。
それぞれ取り上げられている対象はやはり古いですが、そんなことはさほど気にせず読める濃いぃ1冊です。
ネットもケータイも皆が手にしていなかった時代、自らの身体を張って作り上げた元祖オタクバイブル、今だからこそ読んでみてはいかが?


(担当 清水)

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