「グレープフルーツ」全39号セット、「ペーパームーン」7号は売り切れました。ありがとうございます。
「ペーパームーン」 今やすっかりボーイズラブ系の出版社としてのイメージか定着しつつありますが、 旧き良き「少女漫画」を愛してやまない人たちにとっても大変馴染み深い、一目置く老舗でもあります。 CLAMPがデビューしたのも、高河ゆんが一躍有名になったのも、この出版社の存在あったからこそでは? その新書館が今から30年も前の1976年から発行していた雑誌が「ペーパームーン」でした。 表紙の特徴的なイラストは、創刊号以外(創刊号のみ宇野亜喜良さん)、 某ドーナツ屋のパッケージでおなじみだったペーター佐藤=佐藤憲吉さん。 執筆陣は… 萩尾望都、寺山修司、宇野亜喜良、青池保子、内田善美、倉田江美、坂田靖子、 佐藤史生、竹宮恵子、山岸凉子、岸田理生、四谷シモン…… 全ての執筆陣の名を書き連ねることはしなくても、これだけでこの雑誌の「凄み」を分かっていただけると思います。 いつの時代も一番最先端に敏感なのは少女たち。 特に当時の少女漫画を愛読していて共感を持ち得た少女たちはよりそのアンテナが優れていたのです。 そんな少女達のための少女による「少女漫画と芸術の融合」を目指したのがこの「ペーパームーン」です。 創刊された1976年は、白泉社からあの「Lala」が創刊、萩尾望都が「ポーの一族」と「11人いる!」で小学館漫画賞をW受賞 したり、美内すずえが「ガラスの仮面」、竹宮恵子が「風と木の詩」の連載をスタートしたりと 漫画の歴史においても事件の多かった年。 まさにそんな変革期においても、新書館が「少女漫画」でやろうとしていた試みは頭一つ飛びぬけて先鋭的かつ実験的なことだったのです。 この後、新書館はペーパームーンシリーズとして、コミックやイラスト集など、作家と装丁とテーマを凝りに凝った本を次々と刊行していきました。 ただ、「妥協を許さない良い雑誌」というのはこだわり過ぎるあまり、 色々な面で無理が出てきてしまい、短命で終わってしまうことが多いのです。 この「ペーパームーン」も、雑誌型としては10号で終わり、続いて出版された一号一号の特集を 明確にした打ち出したムック型も11号〜27号で廃刊を迎えました。
「グレープフルーツ」全39号セット ムック型の豪華な雑誌で、内容も詩や小説・映画といった芸術に比重をおいていた「ペーパームーン」より、 「少女漫画」をメインに扱ったものとしてリニューアルされました。 表紙も前回のサブカル色を抑え、24年組の少女漫画達が飾ったものが多いのも特徴です。 執筆陣は「ペーパームーン」の著名人に加え(寺山修司は刊行中に急逝されたためにもう執筆陣にはいませんが) 有吉京子、天野喜孝、秋里和国、樹なつみ、岡野玲子、大島弓子、樹村みのり、高口里純、鳥図明児、 名香智子、水樹和佳、松苗あけみ、波津彬子 、森脇真末味、山田章博、吉野朔実、坂東玉三郎…。 これだけ各方面の著名人を集め、意識と方向性をしっかりと持ち、同誌上に作品を発表させることの 出来る雑誌を作るのは後にも先にも不可能でしょう。 ……こんな雑誌をリアルタイムで読めたなんて、当時の女の子達は幸せですね。この贅沢者!! 「漫画・アニメ」というジャンルがまだ、現在のようにはっきりと一つの集合体としての特色を持っておらず、 他の様々なジャンルの良い部分を吸収しつつ、大きな、何ものかになろうとしていた1970年という時代。 そんな時代だからこそ誕生し、今ではジャンルを越えたところで伝説の雑誌として語り継がれている二誌。 今回はその二つをGWにお出しします。 「ペーパームーン」の雑誌型は入荷が非常に稀で、次いつ入荷があるのかもわからない正真正銘の稀少本。 用意したのは、創刊号、3号、6号〜10号です。ということは!!! 内田善美の単行本未収録作品「妖精王の騎士」が収録されている7号もあるってことなんです。 しかもしかも!紙素材の雑誌なのに、どの号も状態が良いです。 「グレープフルーツ」は全39号をセットで。イタミは多少ありますが、 まとめてお出しできるということは、まとめて全号大切に持っていた方がやむを えず手放したということ。 つまり。これまた非常に稀なことなのです。 この宝石のようにキラキラした「ペーパームーン」と「グレープフルーツ」。 絶対一緒にお出ししたかったのです。この二つの姉妹誌をまとめてお出しできる事はもう無いかもしれません。 発売開始は5月1日からですが、本店前レディースショーケースに既にお出しして展示しております。 ぜひとも、GWはまんだらけ中野店に遊びに来てください。 「少女漫画」の歴史の目撃者になってみては?オーラが違いますよー!!眺めるだけでも充分価値のある本なんです。 皆様のご来店お待ちしております。 *なお、お値段、状態などの詳細はお問い合わせをお願いいたします。
(担当 神原)
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