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「少年画報大全」を手にして 相澤亮一
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「少年画報大全」が刊行された。
一読すると、掲載作品が「漫画少年」とはかなり異なっている。
創刊当初からの編集方針に起因しているようなので興味・関心のある方は「漫少」と「冒活」の創刊のことばを比較検討してみるとよい。
「漫少」の創刊のことばは創刊号に、「少年画報」は、前身の「冒険活劇文庫」の創刊号に編集部として載っている。(注:両誌とも創刊号は復刻がでている。)
真面目で堅いが、ほのぼのとした感じの「漫少」、痛快で血わき、胸おどる絵物語や科学冒険ものが主流の「冒活」というように総括できる。このことはやがて売れ行きの良し悪しにつながっていく。
大正時代の童話雑誌「赤い鳥」と大正・昭和の頃によく読まれた「少年倶楽部」、それに田河水泡の漫画「凸凹黒兵衛」と「のらくろ」なども「漫少」、「冒活」と同じような捉え方が出来るのではないだろうか。
さて「漫画少年」が営利を第一に考えて方針転換を計り、「少年王者」クラスの作品を連載したら、学童社と「漫画少年」の歴史、いや漫画史が大きく書き換えられていたに違いない。
しかし、山川惣治は「漫少」の子供の心を明るくするという創刊の精神に則って描いていた。それ故に「銀星」「ノックアウトQ」(後年連載の「鉄の道」「豪勇金時」)には娯楽性が殆どなく、静かな調子で「漫画少年」にとけ込んでいたように感じる。
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