【まんだらけトピックス】本・まんが・コミック・TOY・同人誌の専門店

少し怖い話をしようか。

成年向けのA5サイズコミックというジャンルは、その絵柄、技法、演出すべてにおいて漫画表現の一区画の最先端を走り、また否応なく盛者必衰の理の上に成り立つ。そして一冊あたり200ページ超のボリュームでもって、毎月あらゆる有名無名の作家たちが陳列棚の上で殴り合いを繰り広げるのである。
「カワイイか」「エロいか」「抜けるのか」………このたった3点のみの無慈悲なジャッジメントポイントに向け、表紙のキャラクター達は全力で頬を染め、汁まみれになり、何かを咥え、あんなことやそんなことになりながらこちらを見つめ続けてくる。無論その年に最も多く売れた本のランキングは毎年熾烈を極めており、次から次へと現れる大物新人や超人気作家が上位を食い荒らしていく。

………そんな死闘のさなか、中野店本店 II ではどんなに足掻いても越えられない1冊があると聞く。

その本は多くの期待と希望を背負って2008年7月1日に発売され、以来ほぼ7年間、我らがまんだらけ中野店で不動の年間売上1位に君臨し続けている。一年で100冊超(これでも大分落ち着いたのだ)、3日に1冊売れる成年漫画…………それは、鳴子ハナハル『少女マテリアル』。

18禁ではこのたった1冊しか出ておらず、成年雑誌「快楽天(及び失楽天)」に描き残されたままの未収録作品は実に32本に及ぶ。近頃では百合アンソロ誌『メバエ』の表紙と寄稿も手掛け、目に触れる機会は増えるばかり。その反面、画集もなく、コミック以外では『彗星のガルガンティア(キャラクター原案)』のムックに面影を追い求めるくらいしかできない。そんな作家の単行本『少女マテリアル』は当時相当な鳴り物入りで発売され、ある店は2時間で完売するなど成年漫画では類を見ない記録を打ち立てた。そのため、「わたしをつかって。」というコピーの入ったトレーシングペーパー製の初版帯付は、実のところ今でもそこまで珍しくはない。
だが、これならどうだろう。

鳴子ハナハル『少女マテリアル』初版帯付
とらのあな特典小冊子
K-BOOKS秋葉原店先着特典描き下ろし複製色紙(画像上段右)
K-BOOKSキャンペーンイベント(2009年)配布品描き下ろし複製色紙(画像上段左)
フルカラーポストカード4種
光沢紙仕様イラストシート1種

以上の9点が揃っている。ここに2011年のC80コミケカタログK-BOOKS特典色紙が加われば完璧なのだが、今回は入荷が無かったためご容赦願いたい。
知名度の高さに反して作品やグッズの入手手段が限られる作家はいるもので、この鳴子ハナハルもその一人だ。盛衰目まぐるしいジャンルの中で褪せず、古びず、むしろ敬意を込めた必修科目のように売れ続ける作家はこの人をおいて他にはいないだろう。中野店における密かな覇道がどこまで続くのか、見守るうえでの一環としてこの商品を世に出したいと思う。

具体的には22日の火曜日に本店 II のショーケースに出したいと思う。
一応18禁なので少年少女によろしくない部分はうまいこと隠そうと思う。

（※事前のお取り置き等はできませんのでご了承ください。）

(担当白石)