北見けんいち『ショック』

秋田書店「まんが王」『別冊まんが王』1970~1971年連載作品

生き血が主食だが吸血鬼じゃない……
身体を解体されても死なないけどゾンビでもない……
ナゾの放浪少年が行く先々を恐怖に突き落とすスプラッターヒューマンドラマ!
『釣りバカ日誌』で知られる北見けんいちデビュー期のダークヒーロー作品を初単行本化!!

【通常版】
仕様:
新書判サイズ270P(カラー16ページ含む)
販売価格:
税込2200円
販売方法:
WEB受注(受注期間7/15~7/25)、8/15まんだらけ各店舗ヴィンテージコミックス売場
WEB受注の申し込み期間は7/15~7/25。発送は8/16予定。
8/15まんだらけ各店舗ヴィンテージコミックス売場に関しては、各店舗のアナウンスをお待ちください。
【限定版】
仕様:
カバーデザイン違い(中身は通常版と同じです)、小冊子『ショック外伝』付
販売価格:
税込3300円
販売方法:
WEB抽選(抽選期間8/3~8/13)、8/15大まん祭会場内販売ブース

抽選お申し込みは終了しました

※限定版をお求めの方へ

【8/15大まん祭会場内販売ブースで購入希望の方】
感染対策のための来場者事前登録(8/2~9 サイト準備中)で、製品購入希望リストの『ショック』にチェックをお願いします。
チェックを入れていただいたお客様にご用意し、会場で本人確認の上で販売いたします。


北見けんいち『ショック』たくさんの事前登録ありがとうございました。
大まん祭会場販売分は受付終了です。
事前予約していない方は来場されても購入できません。
13日まで受付中の抽選に申し込みください。(2021.08.11記)

大まん祭当日の販売方法はこちら

【WEB抽選に申し込まれる方】
WEB抽選の申し込み期間は8/3 20時~8/13。発表は8/16以降となります。 来場できない方(来場者事前登録されていない方)を優先させた抽選を行います。
会場での一人あたりの販売数に制限を設け、WEB抽選分をできるだけ数が増やせるよういたしますが、ご希望に添えない場合もございます。ご理解いただけますようお願いいたします。

※抽選に関するお問い合わせの電話はお控えください。ご協力よろしくお願いいたします。

北見けんいち『ショック』とその時代背景

1965年以前のマンガ雑誌はまだ月刊が主流でした。

1959年に創刊した講談社「少年マガジン」、小学館「少年サンデー」が徐々に勢いを増し、それに追従する少年画報社「少年キング」、そして1968年に集英社「少年ジャンプ」が創刊。

・光文社「少年」1968年3月号で休刊
・講談社「ぼくら」1969年10月号で休刊(→隔週刊雑誌「ぼくらマガジン」)
・少年画報社「少年画報」1969年9月から隔週化1971年11号で休刊

1970年を迎える前にマンガ雑誌の主流は週刊へと移行。戦後から昭和30年代を駆け抜けた月刊少年マンガ雑誌は次々と姿を消しました。

その中で生き残ったのは、秋田書店「冒険王」と北見けんいち『ショック』が連載した同じく秋田書店の「まんが王」です。
「冒険王」はスペクトルマンなど特撮記事やスポ根ブームの火付け役である梶原一騎原作作品を柱にブレイクスルーを果たし80年代まで生き残ります。

「まんが王」はもともと「冒険王」の増刊「漫画王」として発行されたのが始まり。
「冒険王」よりも低学年に向けた内容で売り出された雑誌ですが、1970年頃はむしろ「冒険王」よりも過激。
やさぐれ度の高い不良マンガとマニアックな格闘マンガ(このあたりは現在の週刊少年チャンピオンのルーツを感じさせます)と、吾妻ひでお、緒方恭二、新岡勲、きくちゆきみといった新進気鋭の若手作家の起用。
グラビアや読み物は、怪獣、妖怪、怪奇、オカルト、流血プロレス記事、世界残酷物語のような秘境モノといった過激路線で勝負に出ます。

北見けんいち『ショック』はそんな過激路線真っ只中の「まんが王」が当時の妖怪ブームに一石を投じるべく、新たな怪奇ヒーロー物として打ち出したオリジナル作品です。

『ゲゲゲの鬼太郎』『妖怪人間ベム』のように行く先々で事件を起こしたり解決したりするのですが、それだけに終わらない独自性のある物語とキャラクター。

本作の主人公は、死体に自分の身体のパーツを寄生させ生き返らせるという能力を持っているのです……。

当時あこがれていたという滝田ゆうに近い絵柄で連載開始し、次第に師である赤塚不二夫タッチへと移り変わっていくところも見どころ。

秋田書店「まんが王」1970年7月号~1971年1月号+別冊・増刊に発表された全10話を収録。(限定版のみ1971年お正月大増刊号掲載『ショック外伝』収録小冊子が付属)

「まんが王」は1971年6月で休刊となりますが、国会図書館には『ショック』連載時期から休刊までの蔵書はありません。

国会図書館に限らず全話を通しで読むことができる国内の所蔵機関が存在しないのも本作の認知度が低い理由だと思われます。

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