『小さな野獣』は文化庁の裁定制度を利用して発行した単行本です。
裁定制度とは権利者が不明の作品を、権利者の許諾を得る代わりに文化庁長官の裁定を受け、通常の使用料額に相当する補償金を供託することにより、適法に利用することができる制度です。
発行後に作者が見つかり、諸手続きが無事完了いたしました。
先生から皆様に向けてメッセージをいただきましたのでここに掲載いたします。
単行本をご購入いただいた皆様、この度は本当にありがとうございました。
館友二は二人で一人のマンガ家としてデビューしました。
函館出身の友人2人ということで「館友二」というペンネームになりました。
単行本の解説で、池上遼一先生のアシスタント説が囁かれていましたがそれは間違いです。でも、当時絵が上手いといえば池上遼一。特に「スパイダーマン」で話題でしたので何かしら影響は受けていたかもしれません。
私は平田弘史先生のアシスタントとして少年キング連載の「弓道士魂」などを手伝っていました。
もう一人はちばてつや先生のアシスタントをしていたことから、「あしたのジョー」休載時の代役として白羽の矢が立ちました。これが「小さな野獣」が世に出たきっかけです。
「巨人の星」「あしたのジョー」「アシュラ」「ワル」といった連載作品が並ぶ黄金期の『週刊少年マガジン』で、全くの新人が新連載50ページ掲載。そして「小さな野獣」の最終回掲載号には、次作「魂シンガー」の新連載が掲載されています。原作はある有名マンガ原作者の変名。1冊の雑誌に同じ作者のマンガの最終回と新連載が同時掲載という異例の待遇は今でも語種です。
私は背景+ストーリー、人物はもう一方という分担で制作を行なっていましたが、単行本の表紙と口絵に使用されているカラー扉については私が描いたものです。
今回の単行本に収録されているのは少年誌に掲載された作品です。その後、青年誌に活動の場所を移し、土曜漫画などでも描きました。その頃の作品は、多くを語りたくないので割愛させてください。
私は2025年現在でもマンガの世界で仕事をしています。平田先生のもとで仕事していた経験を活かし、時代劇の背景などを描いています。今回の単行本化で自作品への意欲が湧いてきました。どこかでお目にかかることもあると思いますので楽しみにお待ちください。
2025年1月23日
石井等 (館友二)