グランドカオス 原
すいません、順位は決めれませんでした。
さらに2009年ベストってお題だったんですけど、今年も読んだというか結構今の自分に影響した本を挙げてみました。
今年出た本は全く入ってないです。
しかも5冊っていわれたのに3冊。アウトローですいません。
ユダヤ警官同盟もいれようかと思ったんですけど、ミステリーとかSFは三次くん(※中野店スタッフの変態)がもっと良いのを挙げてくれるかなと。
ポール・オースター/柴田元幸 訳 「スモーク&ブルー・イン・ザ・フェイス」
ポール・オースターといえば殆どの人が「幻影の書」を挙げると思うんですけど、僕はこの本です。というか実はポール・オースターを知ったのは映画「スモーク」を見てからなんです。
1994年か95年 (もしかしたら96年かも、なんしか20歳ぐらいのとき) ぐらいだったと思うんですけど、当時タランティーノのパルプフィクションを見て打ちのめされ、レザボア・ドッグスを見てハーヴェイ・カイテルのかっこよさに惚れてしまい、そしてハーヴェイ・カイテルが主演するって聞いて見たのがこの「スモーク」だったんです。
ポール・オースターの話は読み終わった後にすごい考えさせられるし、そしてちょっと人に優しくなれると思うんですけど、この映画もその世界観そのままに日常と非日常が織り成す世界は見応えがあります。
で、本の紹介なんですけどその映画のメイキング (ポールオースターのインタビュー) と脚本で構成されています。
ちなみにブルー・イン・ザ・フェイスはフィルムが余ったから即興で作ったって話なんですけど僕はこの本を読んで初めて知りました。
なんか映画の話ばっかりになってしまったんですけど、実は短編「オーギー・レンのクリスマス・ストーリー」が元の話になっているんですが、この本にちゃんと収録されています。
映画とあわせて読んでほしいです。
チャールズ・ブコウスキー/中川五郎 訳 「詩人と女たち」
ポール・オースターの次がブコウスキーかよ!って突っ込まれそうですが、僕この人の本メッチャ好きなんです。
ちなみにこの本はブコウスキーの自伝的な小説なんで、かなりやさぐれた感じで全編進んでいきます。なんしかこのやさぐれ具合が最高です。
あとこの人詩人だけにエッセイも書いてたりするんですけど、「ブコウスキーの酔いどれ紀行」なんかは全編酔っ払いながら書いてるんじゃないかってぐらいなんともパンクです。
こんな僕でも仕事とか他人には言えない事で疲れることがあるんですけど、ブコウスキーのやさぐれ具合を見て、自分のやさぐれなんてやさぐれてる内にはいらへんなって感じでちょっと元気になったりします。
酒と競馬と女っていう典型的なダメ男な生き方をしていたブコウスキー、この人はほんとにモテモテ人生だったんですけど、この人に憧れてる僕は全くもてません。多分ブコウスキーに憧れてる人なんかは絶対モテないと思うんですが・・・、
すいません少し話がずれました。
ちょっと古い話なんですけど、草食系男子なんていわれてる人にはこの本渡してバカヤローって言いたいです。決してひがんでる訳ではありません。
STUDIO VOICE No.273 「特集★新宿ジャック1968 昭和元禄の疾風」
なんでスタボなん??とか言われそうですが、この本というかこの号がすごいんです。
それまでサブカルといえば音楽とか映画とかファッション色の強いものだと考えていたのですが、そこに主義・思想・政治なんかも混ざり合っているって事に気付かせてくれたというか、なんしか入門書のような内容で、何回も読み直した記憶があります。
引越しを何回かする内に無くしてしまい、その存在をちょっと忘れていたんですが久しぶりに古書店で出会い即購入。
今になって読み直してもやっぱり読み応えがあるなと。今度は絶対に失くしません。中でももう亡くなっちゃった赤塚不二夫と若松孝二の対談は当時の新宿のある一部分の事を克明に話していて、なんか人間関係がすごくうらやましく感じたりします。
なんしかやっぱりスタジオボイスってすごい雑誌ですよね、今はオンラインだけになってますけど、この雑誌はすごいと思います。
ヴィンテージコミックスと記憶・大予言関連書籍、少し前までは少年コミックスも担当。
09年で気になったこと。
グランドカオスで本格的に記憶・大予言関連書籍を取り扱い始めたことでしょうか、いままで殆ど興味のなかった東洋武術関連書籍をちょっとだけ読むようになりました。最近買ったのは「借力拳法」の本、全くもってとんでもない本でした。2010年も色んな力を借りていこうかと思ってるんでよろしくです。
グランドカオス 竹内
1位 魔夜峰央の「ダリ的魔法術」 魔夜峰央
1位の「ダリ的魔法術」はダリの絵の解説を魔夜さんがイラスト付きでしている絵本のような本です。
表紙の装丁も絵本ぽいながら、神秘的で不思議な感じで、ダリと魔夜さんの不思議さがマッチして非常に興味深い仕上がりになっていました。
今まで漠然と見て感じるだけだったダリの心理が少し垣間見れます。
2位 一期一会 四字熟語辞典編
2位の一期一会は辞書の扱いになるので、記憶とは異なるかもしれませんが、辞書とアルバムを合体させるという発想が面白かったので、辞書の部分だけ何度も読んでしまいました。
他シリーズが色々ありますが、言葉のセレクトといい、一期一会が一番手元に一冊置いておきたい作品です。
3位 世界の日本人ジョーク集 早川 準一 中央公論新社
3位は日本人の有り方をジョークを通して分析している本です。
ジョーク自体も面白いですが、文化やそれに基づいた気質が捕らえ方によってはユニークだということや、アニメ・漫画という日本文化についても触れていることから、うちのスタッフは一度目を通すと面白いかもしれないと思う一作です。
スタッフじゃなくても漫画やアニメに興味がある人はああこういう見方をされることもあるんだ、ジョークになるんだと笑うより先に感心しちゃいます。
以上です。
竹内寛子・グランドカオスコミック担当 (レディース)
09年で気になったこと:犯罪者が逃げる心理と方法論。
後は擬人化ブームがどこまで自分の生活を侵食するのか。
札幌店 いわき
今年読んだ三島由紀夫BEST3
三島由紀夫BEST3+αです。
総合すると、三島先生の書く文章は本当に美しい、ってことです。これに尽きます。三島先生の作品が読める時代に生まれてよかった。
BEST1:金閣寺
メタラーの知人に金閣寺読まないやつはバカ、と言われて読みました。
主人公鬱々としすぎですが、自分自身も学生時代はコンプレックスまみれで暗黒だったので、感情移入の度合いがハンパなく読み進めるうちに具合が悪くなる始末。
しかしそこは三島先生の美しい文章でカバー。
BEST2:潮騒
恋愛にそこまで重きを置いていないので、恋愛をメインとしたストーリーというのは進んでは読まないんですが、
この作品は海辺の町のなんの変哲もない男女の恋のお話なのに、
そのなんの変哲もないお話をここまで美しくすることができるとは…!!!と鳥肌が立ちました。
「その炎を飛び越えて来い!」のシーンは情景が眼窩にはっきりと浮かびました。
BEST3:仮面の告白
正確には初めて読んだのは何年か前なんですが、部屋掃除してたらふと出てきたのでなんとなく再読。
初めて読んだ三島作品ってことと、読んだ時に「あ、私このままでいいんだ。何も恥じることはないんだ」って思えたってことで、とても思いいれのある作品です。
番外編:実音収録!!三島由紀夫の死
読物ではないですが、生前の三島先生の写真がたくさん見られたというだけで眼福でした。
機材の関係でソノシートが聞けなかったのが残念。ということで次点。
今年よかった図鑑BEST3
絵を描くという行為が生活の一部になっている私にとって、資料としての「図鑑」は最早欠かせない存在。
しかしいつからか資料としての枠を超え、純粋に図鑑を楽しみ、収集ともいえない収集を続ける日々が始まったのでした…
そんな私が選んだ「今年よかった図鑑BEST3」です。
「参考」ってのは絵を描く際の参考ってことでよろしくおねがいします。
BEST1 クローズアップ 虫の肖像―世界昆虫大図鑑/東洋書林
昆虫というミクロの世界を、でき得る限りにクローズアップ!殴ったら人を殺せそうな厚みとサイズ。
とにかく頁を繰っても繰ってもそこにあるのは虫の顔のアップばかり。近くで見ると意外とゴツゴツしてたり、
モジャモジャしてたり、コナコナしてたりほんとあいつらクリーチャーですかわいいです。
アップだけでなく全体図のイラスト、その虫に関する説明やマメ知識ももちろん網羅。複眼や甲羅の金属光沢は本当に垂涎ものの美しさです。
昆虫好きな人には間違いなくオススメしたい1冊。逆に虫嫌いな人には絶対にお見せできない1冊。
興奮度 (一部の人に限り) :★★★★★〜∞ (ほしむげん)
BEST2 動物の大世界百科 動物の世界7/日本メールオーダー社
図鑑と言うよりは索引で、豊富な写真+綿密な説明で絶滅危惧種や環境破壊について勉強できる1冊。
図鑑ではないぶん動物の写真がイキイキとしており、当時の印刷技術も相まってやや焼けた感じの色合いが最高。
動物写真一つ一つのポーズのチョイスも最高。装丁もシンプルでかっこいい。
模写にももちろん大活躍ですが、加工しなくてもそのままいけそうなシビれるくらいいかす動物の写真がてんこ盛り。
随分おせわになりました (私物には使えそうなページに計30枚くらい付箋が貼ってある) 。
参考になる度:★★★★★ (ほしいつつ)
BEST3 恐竜図解事典/D・F・グラット著 小畠郁生訳 築地書館
とにかく骨がメインの1冊。復元図はものによってはややお粗末ですが、イメージイラストの遊び感覚・骨のスケッチの細密さは見ていてワクワクします。
復元模型の写真や恐竜の骨 (一部分) と人間との大きさの対比なども参考になります。これ1冊あれば、恐竜の骨というジャンルに関してはどうにかなりそうです。
全編モノクロ&黄色一色な表紙の装丁もナイス。
参考になる度:★★★☆☆ (ほしみっつ)
今年読んだ欝になる小説ベスト1
BEST1 悪童日記シリーズ/アゴタ・クリストフ ハヤカワepi文庫
「悪童日記」「ふたりの証拠」「第三の嘘」からなる三部作。
正確には初めて読んだのはもう何年も前で、今年は3読目でしたが、やっぱり面白かったし最強の欝小説でした。
何度読んでも同じ部分で涙が出ます。何度読んでも理解しきれない部分もあります。それでまた読んじゃいます。
欝度:★★★★★ (ほしいつつ) ただしカタルシスは得られます。
自己紹介:札幌店ヴィンテージ&コミック担当。最終的におもしろければもうなんでもいいと思ってます。
今年気になったニュース:MJ、アベフトシ、清志郎、SABE…訃報が重なりつらかったです。
今年はどんな年だったか:バイク事故で死にかけ、新型インフルで死にかけ…しかし生き抜きました。人生について考えさせられた年でした。
札幌店 大井
2009年 開祖(もしくは宗家)ベスト5 +α
自分自身が真摯に探求心を持って日々臨んでいるわけではありませんが、幼少の頃より単純に強さへの憧憬を未だに持っていて、あれやこれやと想い描いてます。
情報が氾濫している現代では、競技格闘技、それら格闘技を統一のルールの元に戦うNHB、実戦の護身術、戦場での殺人術、スポーツ武道、伝統の古武道・武術・柔術、その中での本物とニセモノかもしれないものの違いなども、ある程度はわかるようになってきた、異種格闘技戦という名が古臭くなっている現代、むしろ創造力が広がってきたと思われます。
小さかった頃からの憧れを未だに持ち続け、現代の格闘情勢に飽き足りない、夢を忘れられない往生際の悪い大人が増えてきたからこそ、各漫画雑誌でも総合格闘系の漫画が多数連載されているのかもしれません。格闘技を納めようとしている、全ての人が強さを求めているのではないのかもしれませんが、根底にあるのは強くなりたい衝動だと思われます。やがて思想や生き方や人間関係に多大な影響をもたらし続けたものとなり、精神修養・人格形成の場であり道となり、人格者に至るのが武道なのかもしれません。
そんな武道家にして開祖、宗家といわれる割と一般にも名の通っている大先生のごく一部を羅列させていただきますと、大東流合気柔術中興の祖武田惣角、日本傳流兵法本部拳法開祖本部朝基、柔道の父嘉納治五郎講道館初代館長、合気道開祖植芝盛平、養神館館長塩田剛三、太気拳至誠塾宗師拳聖澤井健一、ゴッドハンド大山倍達極真会館総裁・・・。現代に生きる達人では、拳聖中村日出夫拳道会総師、心道流空手道心道会教士宇城賢治、戸隠流忍術代34代継承者初見良昭などなど・・・。
まるで、門徒・信者を多く抱える宗教の教祖、一代で大企業に成長させた創業者にも勝るとも劣らない、強烈なカリスマ性や、多くの伝説、耳を疑うような逸話など含めまして、何よりも不世出の“強さ”を感じさせてくれる、武道の開祖、宗家といわれる大先生の事がとてもわかりやすくありがたい本を、誠に勝手ながらわずか数冊ご紹介します。
「武道の原点」合気ニュース/宇城憲治
とりあえず、三戦!!(サンチン)
という事で、型も見事にはまったようですので始めます。
近くのジュンク堂の地下2階に武道・格闘技の書籍コーナーがありますが、その棚の上に貼られている案内表示があり、柔術や古武道や合気道、空手、ボクシング、総合格闘技などなどのカテゴリの中に“宇城憲治”とあります。
著書がそれなりに多いのも当然ですが、著書だけ多くても個人名がカテゴリに入ることはありません。武道・格闘技コーナーで個人名が案内されているのは、宇城先生のほかは高岡英夫先生ぐらいなもんで、それだけ購買する心酔者が多いのですよ。
フルコンタクトでは最強と評されていた極真会館の、元世界王者数見肇や元ウエイト制重量級王者岩崎達也、元SB世界王者の吉鷹弘などが宇城先生と組手を行い、若い元打撃の王者たちが齢50歳を越えられている先生に、全く歯が立たず手玉に取られてしまうエピソードは有名です。相手の力を無力化してしまい、なす術なく圧倒される組手や技の数々のみならず、人間力・心・体・人生全てを武道を通じて高めている生き方を示してくれる達人です。
書籍は多数ありますが、ここから始めてみてほしい一冊です。身体脳を鍛えましょう。
「改訂版 武田惣角と大東流合気柔術」合気ニュース/スタンレー・プラニン
「はい、この先生にこんにちはー」
極められ片手を床についたところではじめます。今回ご紹介するのは改訂版です。
表紙にある惣角翁のお姿がなんともインパクトのある初版との違いは、宗家教授代理の佐藤啓輔先生が前書をたまたまお読みになり、惣角像・回顧録を書き留められることを思い立たれ追記し、改訂版として出版されたものです。こんなじじいとっちめてやろうか、と掛かっていったら、かえって痛めつけられたとの回顧には嬉しさが伺えます。
過去、現在、未来を“合気”で見通す神通力、 壁抜けの妙技や、門外不出の英名録に記されている著名な方たちとの興味深いエピソードの数々はこの書でも確認できます。資料もそれほど流されていなく、名利を追わなかったので、伝説が先走ってしまうという事は仕方のない事かもしれませんが、事実は“高弟”たちによって、守られ高められております。
わかりやすい凄さの一例としては、いろいろと囁かれている関係はおいといて、最も信頼し可愛がっていたといわれる(時宗宗家曰く)合気道開祖植芝翁を指導し開眼させた事でしょうか(参考文献「劇画 合気道開祖植芝盛平」出版芸術社刊)。
よく世間で出回っている安物の“武士とは”を殊更クローズアップしているだけの思想は危なっかしくて稚拙で仕方がありませんし、昭和後期・平成に生まれた人間にとって、武士道って何?って言われて応えられる人なんてそんなにいないはずです。こちらの惣角大先生のように、食事でも歩いていても寝ていても一分の隙も絶対に与えず、行住坐臥すべて戦いという武士として貫こうとする、有様・生き様を昭和の世になってまで実践していた行動の数々は、現代の我々にとっては唯の物語としてとどめておくには文化の損失と思われます。
縁の地だからかもしれませんが北海道にもたくさんあります大東流合気を関する流派ですが、柔術に触れてみたいと気になる方は何はともあれこちらの書をどうぞ。
「拳聖澤井健一先生」スポーツライフ社/佐藤嘉道
それでは、立禅!!(りつぜん)
という事で気を養ったところで始めます。
中村日出夫拳道会総師も“拳聖”ですが、中国武術の真髄を日本に伝えた拳聖の書をご紹介します。著者は教授代理の佐藤嘉道教士。
意拳の創始者にして“国手”と謳われた王向斉。その王向斉の唯一の外国人(中国人に対しての日本人)の弟子、太気至誠拳(通称:太気拳)澤井健一宗師。
残っている映像・画像をみると必ずといって良いほど、竹林などの野外風景の中での組手が見られ、王向斉先生からの“道場は持たず”という指導を頑なに守っていたからと言われております。そしてスラックスにYシャツ。そこに形式にとらわれない本物だからこその凄みを感じます。
お弟子さんたちの数々の活躍(逸話)も多く、一般にも知られる機会もありますが、そんな現代の達人クラスの先生たちをも手玉にとっていたといわれた使える技の数々。圧倒する力、滑らかさ、気魄・・・我々が知る老人というカテゴリの範疇外にいるのが達人。その達人中の達人の口から第2章の『武道の真髄』内で、年老いてから光るもの、としての記述が非常に説得力があります。
年齢を重ねると共に憧れる対象が少なくなり、目標も希薄になり何となく疲れている人たちに、僭越ながらご覧になっていただきたい書です。
「本部朝基と琉球カラテ」愛隆堂/岩井虎伯
ナイハンチ!!
という事で、姿勢正しく護身の意を表しましたのでご紹介します。
琉球拳法唐手術の使い手、戦前最強の実戦唐手家と謳われた本部朝基日本傳流兵法本部拳法開祖。実戦唐手術を持って多くの流派に影響を与え、普及発展に多大な貢献をされた、本部朝基開祖の書についてご紹介します。
琉球王国の大名家に明治3年に生まれ、幼少から手(ディ)の稽古に明け暮れ、青年期には遊郭や花街にて“掛け試し”一種の「辻斬り仕合」に実戦を求めていたと言われてます。大阪に渡ってからも実戦を求め続け、特に有名な出来事としてプロボクシングの興行にて飛び入り参加し、上背・体重共にはるかに上回るロシア人ボクサーを圧倒し、ピストン堀口のパンチを全て裁いてみせた、などの本物の武勇伝は枚挙に暇がありません。
その本部朝基宗家が記した書物は『沖縄拳法唐手術組手編』(唐手術普及会/大正15年発行)と 『私の唐手術』(東京唐手普及会/昭和7年発行)があり、共にこちらの書で復刻版として確認できる他、琉球拳法(唐手術)の歴史のみならず、琉球王国、手(ディ)についての概論が確認でき、ちなみといってはナンですが、まだ書店で購入できます。
「“気”の超力」実業之日本社/西野皓三
バレエと医学と武道を結びつけた西野先生の“西野流呼吸法”。
西野先生は終戦の年に特設されましたが8年で消滅してしまった、元宝塚男子部の部員にして医学博士、合気道を修め、そして中国拳法は澤井健一宗師から学んだとか。
今回そんな現代の達人をご紹介する書は、間違いなくジャケ買いの衝動にかられるでしょう。これほどまでに先生の凄さが出ている表紙はありません。先生の気一閃で門弟10名ほどが放射状に飛び退ける!! こんな事があるわけがない、と疑うのは簡単ですが、何事も先ずは受け入れる姿勢が大事です。コレが実戦の場で使用されるならば、間違いなく各種目・各階級全制覇できるほどのチャンピオンです。しかしやりません。競技のためのものではないからです。武道は追求するもので、目先のことに左右されません。
ともかく人間はエネルギーを取り入れ生きており、呼吸と食事は必須で、食の重要性も説かれております。“とにかくうまいものを食べなさい”というような、食べ物のセンスが若さを保ち、人間を豊かにするというお考えです。
“西野流呼吸法”は生命エネルギーを増幅させて心身ともに活性化する方法です。
とにかく先生の凄さは門弟の由美かおるを見れば、ただ事ではない事がわかるはずです。ですので西野流を究めた「由美かおるのダイエット呼吸法」(竹書房)オススメします!?
「古神道と古流武術」八幡書店/大宮司朗/平上信行共著
古神道を研鑽し、玄学の第一人者にして大東流も直接教授されている大宮司朗先生と、大東流、その他柔術、剣術、居合術の伝承と保存に努められている平上信行先生の対談集です。
要素的には思いっきり右側と思われるかもしれませんが、読み進むにあたって浅学のわたしにとっては、突き詰めるとどちらも同じ領域の中にあるのだなあと思えます。“日本神国論”“大八州小八州説”“ヘレフォード地図”・・・。
解説により明らかになる、古神道と古武道、秘儀の解説、武術の本質と古神道との関わり、奥義と言われる部分まで触れられている、奥伝秘伝の書!!
心理的要素やシカケなど、様々なものがミックスして保護されている部分もあるのかもしれませんが、各武道、流派の先生達が問われている共通する点は、“戦わずして勝つ”という境地と、肉体的には“呼吸”と“気”の重要性。何事も自身の人生にどのように摂り入れ活かすかは自分次第。
武道の源泉の竹内流のアレとか、長尾流躰術や、関口流とか、荒木流、水鴎流武術は、ホントに触れられる機会が少ないし、BABジャパンのDVDは収録時間が短い割には・・・。というような古武道のトップアイテムを、そのうちご紹介できるよう修練修練・・・
札幌店 開祖(オープニングスタッフ)のうちのひとり 大井
札幌店 みき
■BEST 1■
集英社 美輪明宏「美輪明宏のおしゃれ大図鑑」
まんだらけに入社し、周りの友人らと会う時間も無くなるとそれまで専門学校で一緒な感じの服装・持ち物でしたが一変。
着るもの・持つものはブランド品や「あれそんなの着てたっけ」と私の持つ友人のイメージにないものを着ていたりするわけです。
この本は「貴方の似合う服装を着ていれば良い」と…。そう、そうなんですよ。
「今現在の日本は暗い色ばかりで不況不況と。戦前の綺麗な色が流行した時代はとても前向きに…」
という文章が素敵。今の日本は暗いニュースばかりなので、ちょっとでも美輪流おしゃれ術を知っておくといい事がありそうな気がしてなりません。
■BEST 2■
PIE BOOKS 佐藤 園子 「スウェーデンのあたたかい暮らし」
某国擬人化漫画の影響ではございません!!(こんなに北欧キャラが人気が出るなんて…)
元々ヨーロッパ諸国が好きで、集めていた本。税金が高かろうが何だろうが住みたい気持ちは変わらず。
寒い暮らしには慣れております!(実家が札幌より寒いから)
著者が暮らしているスウェーデンの春夏秋冬が写真で眺められる一冊。
春のイースターの卵の殻に描かれる模様が可愛いこと!巻末にはミトンの型紙が入っています。
自己紹介:札幌店少女レトロ&少女コミック乙女系図書担当。
今年気になったニュース:昨日の晩飯の事しか思い出せません。
今年はどんな年だったか:まわりの人が入院してました。(3人程)
渋谷店 南
すべての死者よ、甦れ!〜池島ゆたかが見た、生きた、ピンク映画傍証50年史〜 / 池島ゆたか
字が小さくて厚さも、そこそこですがインタビュー形式なのでスーッと読めました。
演劇の世界からピンク映画を中心に俳優へ。
下元史朗、大杉漣、蛍雪次郎らと並び四天王と呼ばれた池島ゆたか氏。
そして、後にピンク映画の監督となり、2009年に監督作100本となった大ベテラン。
ピンク映画にこの人あり、といわれ続けております。
そんな氏が80年代初頭から現在までのピンク映画の歴史と思い出話を語ったのが本書。
PGとはピンク映画のミニコミで、長い年月をかけて100冊以上出されています。
2009年に出された、その別冊です。
一般映画に進んだ人、ピンク映画にいまでも関わっている人、実家帰っちゃった人。
監督、製作、撮影、脚本、助監督、女優、男優エトセトラ。
「寄せては返す、この波のようにアタシの体の上を色んな男たちが通り過ぎていった…思い出ひとつ残さずね…」 (by『旅の重さ』の横山リエ)
みたいな感じで様々な人間が、この本に登場しては消えてゆく。
業界を去った人への挽歌と、近い将来存亡の危機、かもしれないピンク映画への想いが、このタイトルに込められています。
渋谷店少年漫画担当の南です。
記憶系の本でいえば映画の本が好きです。
映画といえば2010年は1月9日よりシネマーヴェラ渋谷という映画館で曽根中生特集!!
曽根中生とは漫画ネタでいうと「鳴呼!花の応援団」や石井隆の名美シリーズ「天使のはらわた 赤い教室」の実写版を撮った方。
あと光石研のデビュー作「博多っ子純情」!そして、ロマンポルノ作品の数々。これを支えにします。