1957年(昭和32年)8月5日に刊行された、白土三平の単行本デビュー作。
画家の息子として生まれ、若きころより紙芝居を手がけ、牧かずまのアシスタントをする傍らに生み出された本作品。より詳しい白土三平史は数々の資料があると思いますので割愛。
この「こがらし剣士」、約10年前の2007年に小学館クリエイティブより完全復刻が刊行され、装丁そのままでこんなに手軽にデビュー単行本に触れることができるとは!!と感激したものですが、こうやって実際に原本を触るとその重みが全く違いますね。重量的な重みではなく、年輪的な。
様々な時を経て、世に残っていた事象というのがこの本から放たれていることは言わずとも伝わると思います。
今回の個体はカバー付、しかし糸綴じあり。カバーは背上部欠損･表紙左上部ヤブレ補修、ページはノド側コマに糸綴じ穴が上中下の3か所、見返し･奥付に貸本屋の押印があります。ただ、落丁はなく、ページの程度もヤケはそれなりにあれどヤブレはそこまで多くなく悪くない印象。なにより、本体の表紙まわりだけに関して言えば並上です。
巴出版 白土三平「こがらし剣士」￥450,000-(税別)
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